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	<title>賃貸 &#8211; ひできち雑記ブログ</title>
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	<description>できない理由より できる方法を考えたい</description>
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		<title>家賃の値上げは断れます｜「同意のサインを」と言われても、サインする前に知ってほしいこと</title>
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		<dc:creator><![CDATA[ひできち]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 15 Oct 2026 13:04:05 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[暮らし]]></category>
		<category><![CDATA[賃貸]]></category>
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					<description><![CDATA[「物価の値上がりに伴い、○月から家賃を○円上げたいと思います。同意のサインをして返信してください」 ある日、こんな書類が届いたら。サインして返すしかないと思ってしまう人は、多いと思います。 私は本業でクロス（壁紙）と塗装 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>「物価の値上がりに伴い、○月から家賃を○円上げたいと思います。同意のサインをして返信してください」</p>
<p>ある日、こんな書類が届いたら。サインして返すしかないと思ってしまう人は、多いと思います。</p>
<p>私は本業で<strong>クロス（壁紙）と塗装</strong>の仕事をしていて、賃貸の部屋の原状回復の記事をこれまで4本書いてきました。今回は、退去のときではなく、<strong>住んでいる間に届く「家賃の値上げ」</strong>の話です。</p>
<p>先に一番大事なことを書きます。<strong>家賃の値上げは、断れます。</strong>そして、<strong>断れると知ったうえで値上げに応じるのも、もちろんありです</strong>。この記事で伝えたいのは、「選ぶことができる」ということです。</p>
<p><small>※私は法律の専門家ではありません。この記事は、借地借家法の条文と、東京都の消費生活総合センター・住宅政策本部の案内をもとに整理したものです。個別の判断が必要なときは、消費生活センターや弁護士・司法書士に相談してください。</small></p>
<h2>先に結論｜値上げの通知が届いたら、知っておいてほしい5つ</h2>
<ol>
<li><strong>家賃は、貸す人と借りる人の「合意」で決まる</strong>。通知が来ただけで上がるわけではない</li>
<li><strong>断っても、今までの家賃を払っていれば住み続けられる</strong></li>
<li><strong>値上げに応じないことを理由に、更新を断られることはない</strong></li>
<li><strong>断るなら、メールで短く</strong>。家賃は今までどおりきちんと払う</li>
<li><strong>同意のサインは、一度すると取り消すのが難しい</strong>。サインする前に考える</li>
</ol>
<h2>【母の話】「同意のサインをして返信してください」という紙が届いた</h2>
<p>この記事を書こうと思ったのは、私の母に、まさにこの書類が届いたからです。</p>
<p>母はアパートに6年ほど住んでいます。届いたのは、管理している不動産会社からの書類で、<strong>「昨今の物価の値上がりに伴い、家賃を○月から上げたい。同意のサインをして返信してください」</strong>という内容でした。値上げ額は<strong>月5,000円くらい</strong>。1年にすると6万円です。</p>
<p>書類には「断ることもできます」とは、どこにも書いてありません。<strong>サインして返す以外の選択肢がないかのような書き方</strong>です。</p>
<p>母は、不動産会社に<strong>「家賃の値上げはお断りします」とメール</strong>しました。そして今も、<strong>同じアパートに、今までと同じ家賃で住んでいます</strong>。</p>
<p>私が気になったのは、<strong>知らない人なら、これは決まったことなんだと思ってサインしてしまう</strong>だろう、ということです。サインすれば、それは「値上げに合意した」ことになります。だからこの記事を書いています。</p>
<h2>家賃は「貸す人と借りる人の合意」で決まる</h2>
<p>東京都の消費生活総合センターは、2026年3月の注意喚起で、次のように書いています。</p>
<ul>
<li><strong>家賃の変更は、貸主と借主の双方の合意で決まるもの</strong></li>
<li>値上げに納得できないときは、<strong>直ちに応じる必要はない</strong></li>
<li><strong>従来どおりの家賃を払っていれば、引き続き住み続けることができる</strong></li>
<li>一旦値上げに同意して契約書に署名すると、<strong>後から変更することが難しくなる</strong></li>
</ul>
<p>同じ資料には、<strong>この1年で「突然、家賃を値上げすると通知された」という相談が増えている</strong>とも書かれています。値上げの通知は、今あちこちで届いているということです。</p>
<h3>大家さんが値上げを求められるのは、理由があるときだけ</h3>
<p>大家さんが家賃の値上げを求めることができる場合は、法律（借地借家法32条）で決まっています。今の家賃が、</p>
<ul>
<li><strong>土地や建物の税金などの負担が増えた</strong></li>
<li><strong>土地や建物の価格が上がった、その他の経済事情が変わった</strong></li>
<li><strong>近くの同じような部屋の家賃と比べて</strong></li>
</ul>
<p>のどれかの理由で<strong>「不相当」になったとき</strong>です。</p>
<p>「物価の値上がり」は、2つ目の「経済事情の変動」に入る可能性はあります。でも大事なのは、<strong>その結果、今の家賃が周りと比べて安すぎる状態になっているかどうか</strong>です。「物価が上がったから」の一言だけでは、それが分かりません。だから、<strong>値上げの理由と金額の根拠を、具体的に説明してもらっていい</strong>のです。</p>
<h2>断ったら、どうなる？</h2>
<h3>今までの家賃を払っていれば、住み続けられる</h3>
<p>値上げの話がまとまらない間は、借りている人は<strong>「自分が相当だと思う額」を払えばいい</strong>と、法律に書かれています（借地借家法32条2項）。ふつうは、<strong>今までの家賃</strong>です。</p>
<p>ここで大事なのは、<strong>家賃そのものは、今までどおりきちんと払い続ける</strong>ことです。腹が立っても、払わない・勝手に減らして払う、はやめてください。家賃を払っていない状態になると、立場が一気に悪くなります。</p>
<h3>値上げに応じないことを理由に、更新を断ることはできない</h3>
<p>「値上げに応じないなら、次は更新しません」と言われるケースもあるそうです。でも東京都の住宅政策本部は、<strong>更新後の家賃の見直しに応じないことを理由に、貸主は契約の更新を拒絶できない</strong>と案内しています。</p>
<p>大家さんが更新を断るには、<strong>「正当な事由」</strong>が必要です（借地借家法28条）。さらに、大家さんが期限までに「更新しない」と通知していなければ、契約は<strong>今までと同じ条件で更新されたもの</strong>とみなされます（借地借家法26条）。</p>
<h3>大家さんが本気なら「まず調停」。でも、実際にはそこまで行くことは少ないと思う</h3>
<p>それでも大家さんが値上げをあきらめない場合、裁判で決めることになります。ただし家賃の増減の争いは、<strong>裁判の前に、まず裁判所の調停（話し合いの手続き）を申し立てる</strong>決まりです（民事調停法24条の2）。</p>
<p>月数千円の値上げのために、大家さんが調停や裁判までするかというと、<strong>手間と費用に見合わないので、よほどのことがない限りないと私は思っています</strong>。ただ、100%ではありません。</p>
<h3>【正直に書きます】裁判で値上げが認められたら、差額と利息を払う</h3>
<p>ここは公平に書いておきます。調停や裁判で<strong>「値上げは正当」と認められた場合は、断っていた間の差額に、年1割の利息をつけて払う</strong>ことになります（借地借家法32条2項）。</p>
<p>たとえば、本当に周りの相場よりかなり安い家賃で住み続けているなら、値上げが認められることもあります。「断れる」は「絶対に払わなくていい」ではありません。</p>
<h3>家賃を受け取ってもらえなくなったら「供託」</h3>
<p>まれに、大家さんが「値上げ後の金額でなければ受け取らない」と、家賃の受け取りを拒むことがあります。そのときは、<strong>法務局に家賃を預ける「供託」</strong>という方法があります（民法494条）。供託すれば、家賃を払ったのと同じ扱いになります。法務局の窓口のほか、オンライン申請もできます。</p>
<p>ここまで来ることはめったにないと思いますが、「払おうとしたのに受け取ってもらえない」ときの逃げ道があることは、知っておいてください。</p>
<p style="text-align: center;"><img fetchpriority="high" decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-2750" src="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-mail.png" alt="窓ぎわで落ち着いてスマホのメールを打つ禅ちゃん" width="1200" height="675" srcset="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-mail.png 1200w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-mail-800x450.png 800w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-mail-320x180.png 320w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-mail-224x126.png 224w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-mail-150x84.png 150w" sizes="(max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></p>
<h2>断り方｜メールで、短く、ていねいに</h2>
<p>断るときは、<strong>電話ではなくメール</strong>にしてください。いつ、何を伝えたかが残ります。</p>
<p>断りのメールは、短くて大丈夫です。文例を置いておきます。<strong>下のボタンでコピー</strong>して、○の部分を書き換えて使ってください。</p>
<blockquote id="yachin-mail">
<p>○○アパート○号室の○○です。<br />
○月○日付の家賃改定のご案内を拝見しました。<br />
大変申し訳ありませんが、今回の家賃の値上げには同意いたしかねます。<br />
家賃は、これまでどおりの金額で引き続きお支払いいたします。<br />
値上げの理由や金額の根拠について、具体的なご説明をいただけましたら、あらためて検討いたします。</p>
</blockquote>
<p style="text-align: center;"><button type="button" onclick="var b=this;navigator.clipboard.writeText(document.getElementById('yachin-mail').innerText).then(function(){b.textContent='コピーしました ✓';});" style="background:#e8964a;color:#fff;border:none;border-radius:6px;padding:12px 24px;font-size:16px;font-weight:bold;cursor:pointer;">📋 この文例をコピーする</button></p>
<p style="text-align: center;">📄 <a href="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/yachin-neage-mail-template.txt" download>メール文例をダウンロード（2種類・テキストファイル）</a><br /><small>「値上げの通知が届いたとき」と「更新の書類に新しい家賃が書いてあったとき」の2つ。件名つきです。</small></p>
<p>ポイントは3つです。</p>
<ul>
<li><strong>同封の同意書には、サインしない</strong>（返送もしない）</li>
<li><strong>「今までどおり払います」と書く</strong>。払う意思があることを、はっきり残す</li>
<li><strong>理由と根拠の説明を求める</strong>。話し合いの入り口は残しておく</li>
</ul>
<p>怒る必要はありません。淡々と、ていねいに。それだけで十分です。</p>
<p style="text-align: center;"><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-2751" src="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-erabu.png" alt="2枚の紙を見比べて、どちらにするか考える禅ちゃん" width="1200" height="675" srcset="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-erabu.png 1200w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-erabu-800x450.png 800w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-erabu-320x180.png 320w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-erabu-224x126.png 224w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-yachin-erabu-150x84.png 150w" sizes="(max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></p>
<h2>【正直に書きます】値上げに応じるのも、ありです</h2>
<p>ここまで「断れる」と書いてきましたが、<strong>応じるのが正解のときもあります</strong>。</p>
<ul>
<li>周りの同じような部屋と比べて、<strong>今の家賃がはっきり安い</strong></li>
<li>この部屋に<strong>長く住みたい</strong>。大家さんや管理会社とは、気持ちよく付き合っていきたい</li>
<li>理由と根拠の説明を聞いて、<strong>納得できた</strong></li>
<li>金額の交渉をして、<strong>半分くらいに下げてもらえた</strong></li>
</ul>
<p>こういう場合に応じるのは、まったくおかしくありません。</p>
<p>問題なのは、<strong>断れることを知らずに「決まったことだ」と思ってサインしてしまうこと</strong>です。知ったうえで選ぶのと、知らずにサインするのとでは、同じサインでも意味が違います。</p>
<h2>【職人の目線】リフォーム後の値上げは「次に入る人」の話であることが多い</h2>
<p>私の仕事では、退去したあとの部屋のクロスの張り替えなど、リフォームの工事を請け負います。設備を新しくしたり、内装をきれいにしたりした部屋は、<strong>次の人を募集するときに家賃を上げる</strong>ことがあると思います。</p>
<p>でもそれは、<strong>新しく借りる人との間で、新しく家賃を決める話</strong>です。今住んでいる人の家賃を上げるなら、同じように<strong>理由が必要で、合意が必要</strong>です。「リフォームしたから」「隣の部屋は高く貸しているから」と言われても、今の契約の家賃が自動で上がるわけではありません。</p>
<h2>注意｜「定期借家契約」の人は、事情が違うことがある</h2>
<p>契約書に<strong>「定期建物賃貸借」「定期借家」</strong>と書いてある人は注意してください。定期借家契約で、<strong>家賃の改定についての特約</strong>がある場合は、ここまで書いた借地借家法32条のルールが当てはまりません（借地借家法38条9項）。また、定期借家はもともと更新がなく、期間が終わると契約が終わる仕組みです。</p>
<p>自分の契約がどちらか分からない人は、まず契約書の1ページ目を見てください。それでも分からなければ、管理会社に「この契約は定期借家ですか？」とメールで聞いてから動くのが安全です。</p>
<h2>困ったときの相談先</h2>
<ul>
<li><strong>消費者ホットライン「188（いやや）」</strong>：住んでいる地域の消費生活センターにつながります。家賃の値上げの相談もできます</li>
<li><strong>東京都の人</strong>：東京都賃料値上げ特別相談窓口（賃貸ホットライン）03-5320-4958（都庁の開庁日 9時〜17時30分）</li>
</ul>
<p>相談するときは、<strong>届いた値上げの通知</strong>と<strong>契約書</strong>、<strong>メールのやり取り</strong>を手元に用意しておくと、話が早いです。</p>
<h2>よくある質問</h2>
<h3>Q. 更新の書類に、最初から新しい家賃が書いてありました。</h3>
<p>A. その書類にサインすれば、新しい家賃に合意したことになります。納得できないなら、<strong>サインせずに、値上げには同意できないこと・今までの家賃で更新したいことをメールで伝えてください</strong>。値上げに応じないことを理由に、更新を断ることはできません。</p>
<h3>Q. もう同意のサインをして返してしまいました。</h3>
<p>A. 合意した以上、基本的にはその家賃になります。東京都も「一旦同意して署名すると、後から変更することが難しくなる」と書いています。ただ、説明と違うことがあった、強く迫られてサインした、などの事情があれば、消費生活センター（188）に相談してみてください。</p>
<h3>Q. 「値上げに応じないなら出て行ってください」と言われました。</h3>
<p>A. 大家さんが契約を終わらせるには、正当な事由が必要です。値上げに応じないことだけでは、それに当たらないとされています。<strong>家賃をきちんと払い続け</strong>、言われたことはメールで残し、188や地域の相談窓口に相談してください。</p>
<h3>Q. 逆に、家賃を下げてもらうことはできますか？</h3>
<p>A. 同じ法律（借地借家法32条）で、<strong>借りている人からの値下げの請求</strong>も認められています。周りの同じような部屋と比べて今の家賃が高すぎるなら、相談してみる価値はあります。</p>
<h3>Q. 値上げを断ったら、大家さんとの関係が悪くなりませんか？</h3>
<p>A. 気になるところだと思います。だからこそ、<strong>ていねいな言葉で、短く、理由の説明を求める</strong>形にしておくのがいいと思います。断ることは、借りている人に認められた当たり前の選択です。</p>
<h2>まとめ｜サインする前に、「選べる」ことを思い出して</h2>
<ul>
<li>家賃は<strong>合意</strong>で決まる。通知が来ただけで上がるわけではない</li>
<li>断っても、<strong>今までの家賃を払っていれば住み続けられる</strong>。家賃は必ず払い続ける</li>
<li>値上げに応じないことを理由に、<strong>更新は断られない</strong></li>
<li>断るなら<strong>メールで短く、ていねいに</strong>。同意書にはサインしない</li>
<li>相場よりはっきり安いなら、裁判で値上げが認められることもある。<strong>応じるのもあり</strong></li>
<li>一番いけないのは、<strong>知らずにサインすること</strong></li>
</ul>
<p>「同意のサインをして返信してください」。その一文の前で、少しだけ立ち止まってください。</p>
<p>▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e3%81%ae%e7%ab%8b%e3%81%a1%e4%bc%9a%e3%81%84%e3%81%af%e6%96%ad%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%99%ef%bd%9c%e3%81%9d%e3%81%ae%e5%a0%b4%e3%81%a7%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%81%97%e3%81%aa/">退去の立ち会いも、断れます｜その場でサインしないで</a><br />
▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e6%95%b7%e9%87%91%e3%81%8c%e8%bf%94%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%93%e3%81%aa%e3%81%84%e6%99%82%e3%81%ae%e6%89%8b%e9%a0%86%ef%bd%9c%e6%98%8e%e7%b4%b0%e3%83%bb%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%bb%e5%86%85/">退去後に敷金が返ってこないときの手順はこちら</a></p>
<p><small>参考：借地借家法26条・28条・32条・38条9項、民事調停法24条の2、民法494条（<a href="https://laws.e-gov.go.jp/" target="_blank" rel="noopener">e-Gov法令検索</a>）、東京都消費生活総合センター「賃貸住宅の家賃値上げトラブルに注意！」（令和8年3月3日）、東京都住宅政策本部「<a href="https://www.juutakuseisaku.metro.tokyo.lg.jp/fudosan/chinryouneage" target="_blank" rel="noopener">賃貸住宅のオーナーチェンジを契機とした家賃値上げトラブルについて</a>」（2026年3月12日更新）。</small></p>
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			</item>
		<item>
		<title>敷金が返ってこない時の手順｜明細・メール・内容証明・188。13万5千円が1円も戻らなかった職人が書きます</title>
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		<dc:creator><![CDATA[ひできち]]></dc:creator>
		<pubDate>Wed, 14 Oct 2026 11:50:37 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[暮らし]]></category>
		<category><![CDATA[原状回復]]></category>
		<category><![CDATA[賃貸]]></category>
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					<description><![CDATA[退去して何週間たっても、敷金が返ってこない。やっと届いた紙には「クリーニング一式」とだけ書いてあって、敷金はほとんど残っていない。そんなとき、何から手をつければいいのか分からない人は多いと思います。 私は本業でクロス（壁 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>退去して何週間たっても、敷金が返ってこない。やっと届いた紙には「クリーニング一式」とだけ書いてあって、敷金はほとんど残っていない。そんなとき、何から手をつければいいのか分からない人は多いと思います。</p>
<p>私は本業で<strong>クロス（壁紙）と塗装</strong>の仕事をしていて、退去したあとの部屋の張り替えをよく受けています。原状回復の記事もこれまで3本書いてきました。</p>
<p>でも実は、<strong>私自身、自分が借りていた家を出たときに、敷金13万5千円が1円も戻ってきませんでした。</strong>この記事では、その失敗も正直に書いたうえで、<strong>敷金が返ってこないときに、どの順番で何をすればいいか</strong>をまとめます。</p>
<p><small>※私は法律の専門家ではありません。この記事は、国土交通省のガイドラインや裁判所・日本郵便の公式情報をもとに、手順を整理したものです。個別の判断が必要なときは、消費生活センターや弁護士・司法書士に相談してください。</small></p>
<h2>先に結論｜敷金が返ってこないときの5ステップ</h2>
<ol>
<li><strong>鍵は「返した日」が残る方法で返す</strong>（おすすめはレターパックプラスで郵送）</li>
<li><strong>差し引かれた分の明細をもらう</strong>（「一式」では納得しない）</li>
<li><strong>メールで「ガイドラインに沿って計算し直してください」と伝える</strong></li>
<li>それでも動かなければ、<strong>内容証明で返金を求める</strong></li>
<li>話が進まなければ、<strong>消費者ホットライン「188」に相談する</strong></li>
</ol>
<p>少額訴訟や調停は、その先の最後の手段です。<strong>多くの場合、その手前で話は動きます</strong>。順番に書いていきます。</p>
<h2>【私の失敗】綺麗に使ったのに、敷金13万5千円が1円も戻らなかった</h2>
<h3>「綺麗に使ってくれてありがとうございます！」と言われたのに</h3>
<p>私が借りていたのは<strong>4LDKの一軒家</strong>でした。契約書には「退去時にクリーニング代がかかる」と書いてありました。</p>
<p>当時の私は、<strong>立ち会いを断れることを知りません</strong>でした。管理会社の人と一緒に部屋を見て回ると、「綺麗に使ってくれてありがとうございます！」と言われました。エアコンは自分で買ったものだったので、取り外して持って出ています。<strong>傷や汚れの修理は何もなし</strong>。残るのはクリーニング代だけです。</p>
<p>後日、手紙が届きました。中身は<strong>「クリーニング一式」で、13万6千円くらい</strong>。敷金は13万5千円です。そして、こう言われました。</p>
<p><strong>「差額はサービスします」</strong></p>
<p>当時は「千円まけてもらえた」くらいに思って、そのまま終わりにしてしまいました。でも、今ならわかります。<strong>敷金は全額なくなっています</strong>。「サービスします」と言われると得をした気になりますが、実際は1円も返ってきていません。</p>
<h3>今の私が、この請求をどう読むか</h3>
<p>あとからガイドラインを読み込んで、引っかかる点がいくつかありました。</p>
<p><strong>1つ目。契約書に、クリーニング代の金額が書いていなかったこと。</strong></p>
<p>国土交通省のガイドラインには、クリーニング特約（退去時のクリーニング代を借りた人が払う約束）が有効かどうかは、</p>
<ul>
<li>借りた人が払う<strong>内容と範囲</strong>が示されているか</li>
<li>本来は貸した側が払う分まで借りた人が払う、という<strong>趣旨がはっきり書かれているか、口で説明されたか</strong></li>
<li><strong>費用として妥当か</strong></li>
</ul>
<p>で判断される、と書かれています（ガイドラインQ&amp;A Q16）。</p>
<p>そこには裁判の例も2つ載っています。<strong>「ルームクリーニングに要する費用は賃借人が負担する」とだけ書いた特約</strong>は、普段の使い方でできた汚れまで借りた人に払わせる特約とは言えない、と判断された例（東京地裁 平成21年1月16日）。逆に、<strong>「2万5千円（税別）」と金額まで決めて、契約のときに説明していた</strong>特約は有効とされた例（東京地裁 平成21年9月18日）。こちらは金額が家賃の半分以下で、専門業者の清掃代として相応だったことも理由になっています。</p>
<p>私の契約書は、<strong>金額なしの「かかる」だけ</strong>。前者のほうに近い書き方でした。</p>
<p><strong>2つ目。普通に掃除をしていれば、部屋全体のクリーニング代は、本来は貸した側の負担だということ。</strong></p>
<p>ガイドラインの一覧では、<strong>「専門業者による全体のハウスクリーニング（借りた人が通常の清掃をしている場合）」は貸した側の負担</strong>に入っています。借りた人が払うのは、掃除を怠って油汚れやカビがひどくなった場合などです。私は「綺麗に使ってくれてありがとう」と言われた側でした。</p>
<h3>【正直に書きます】13万6千円という金額だけを見れば、ありえない額ではない</h3>
<p>ここは公平に書いておきます。一戸建ての4LDKのハウスクリーニングは、業者のサイトでは<strong>8万〜14万円、8万〜16万円くらい</strong>と案内されています。家が広くて階段もあるので、マンションより高くなります。<strong>金額だけで「ぼったくり」とは言えません</strong>。</p>
<p>問題は金額ではなく、<strong>何に払う約束だったのかが契約書に書かれていなかったこと</strong>と、<strong>綺麗に使っていたのに全額だったこと</strong>です。あのとき明細をもらって、ガイドラインを持ち出して話していたら、結果は変わったかもしれません。だからこの記事を書いています。</p>
<h2>敷金はいつ返ってくる？｜「部屋を明け渡したあと」。何日以内とは法律に書いていない</h2>
<p>2020年4月から、敷金のルールは民法に書かれるようになりました（民法622条の2）。ポイントは2つです。</p>
<ul>
<li>敷金を返すのは、<strong>契約が終わって、部屋を明け渡したあと</strong>。「敷金を返してくれるまで出ない」はできません。明け渡しが先です</li>
<li>返す金額は、<strong>敷金から、未払いの家賃や借りた人が払うべき修理代などを引いた残り</strong></li>
</ul>
<p>ただし、<strong>「何日以内に返す」という期限は、民法には書かれていません</strong>。まずは<strong>契約書に返す時期が書かれていないか</strong>を確認してください。書かれていなくても、明け渡してから何の連絡もないまま時間がたっているなら、こちらから動いていい段階です。</p>
<p style="text-align: center;"><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-2742" src="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-kagi.png" alt="赤い封筒に部屋の鍵を入れる禅ちゃん" width="1200" height="675" srcset="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-kagi.png 1200w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-kagi-800x450.png 800w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-kagi-320x180.png 320w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-kagi-224x126.png 224w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-kagi-150x84.png 150w" sizes="(max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></p>
<h2>ステップ1｜鍵は「返した日」が残る方法で返す</h2>
<p>敷金の話は、<strong>部屋を明け渡した日</strong>から始まります。だから、鍵を返した日がはっきり残る返し方をしてください。</p>
<p>返し方は「事務所に持っていく」か「郵送する」のどちらかですが、私は<strong>郵送をおすすめします</strong>。持っていくと、その場で部屋の話になったり、書類へのサインを求められたりしかねないからです。</p>
<p>郵送するなら、<strong>レターパックプラス（600円）</strong>を使ってください。郵便受けに入れるのではなく、<strong>相手に手渡しして受領印をもらう</strong>仕組みで、<strong>追跡番号で何日に届いたか</strong>も確認できます。「鍵を受け取っていない」「まだ退去が終わっていない」と言われずに済みます。青いレターパックライトは郵便受けに入れて終わりなので、鍵には赤いプラスのほうを使ってください。</p>
<p>前の記事で、<strong>立ち会いは断れる</strong>と書きました。立ち会わない場合も、鍵の返却と退去届で退去は終わります。そのときこそ、返した日の記録が大事になります。</p>
<p>▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e3%81%ae%e7%ab%8b%e3%81%a1%e4%bc%9a%e3%81%84%e3%81%af%e6%96%ad%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%99%ef%bd%9c%e3%81%9d%e3%81%ae%e5%a0%b4%e3%81%a7%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%81%97%e3%81%aa/">退去の立ち会いは断れます｜その場でサインしないで</a></p>
<h2>ステップ2｜差し引かれた分の明細をもらう</h2>
<p>「クリーニング一式」「原状回復費用一式」だけでは、何が高いのか、払う必要があるのかを判断できません。</p>
<p>ガイドラインには、<strong>貸した側には、敷金から差し引く費用について説明する義務がある</strong>と書かれています。借りた人は<strong>明細を求めて、説明してもらうことができます</strong>（ガイドラインQ&amp;A Q17）。</p>
<p>明細をもらったら、見るところは前の記事に書いたとおりです。クロスなら「㎡数×単価」、範囲が部屋全体になっていないか、入居したときに新品だったか、などです。</p>
<p>▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e8%b2%bb%e7%94%a8%e3%81%ae%e8%ab%8b%e6%b1%82%e6%9b%b8%e3%80%81%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e8%81%b7%e4%ba%ba%e3%81%af%e3%81%93%e3%81%93%e3%82%92%e8%a6%8b%e3%82%8b%ef%bd%9c%e3%80%8c/">退去費用の請求書、クロス職人はここを見る</a></p>
<h2>ステップ3｜メールで「ガイドラインに沿って計算し直してください」と伝える</h2>
<p>おかしいと思う項目があったら、<strong>電話ではなくメールで</strong>伝えます。電話は言った言わないになりますが、メールは日付と中身が残ります。</p>
<p>書き方はシンプルでかまいません。</p>
<blockquote>
<p>○月○日に退去した○○（物件名・部屋番号）の○○です。<br />
いただいた精算書の「クリーニング一式 ○○円」について、内訳を教えてください。<br />
また、通常の清掃はして退去しています。国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に沿って計算し直していただけますか。<br />
敷金の返金予定日もあわせて教えてください。</p>
</blockquote>
<p>ポイントは、<strong>怒らないこと</strong>と、<strong>ガイドラインの名前を出すこと</strong>です。前の記事でも書きましたが、きちんと言ってくる人は、管理会社から見ると手間に見合いません。<strong>契約書とガイドラインに沿って作り直してくることが多い</strong>、というのが現場で見ている私の感覚です。</p>
<p style="text-align: center;"><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-2743" src="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-tegami.png" alt="机に向かって真剣な顔で手紙を書く禅ちゃん" width="1200" height="675" srcset="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-tegami.png 1200w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-tegami-800x450.png 800w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-tegami-320x180.png 320w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-tegami-224x126.png 224w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-shikikin-tegami-150x84.png 150w" sizes="(max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></p>
<h2>ステップ4｜それでも動かなければ、内容証明で返金を求める</h2>
<p>メールに返事がない、返事はあっても話が進まない。そのときは<strong>内容証明郵便</strong>を使います。</p>
<p>内容証明は、<strong>「いつ、誰が、誰に、どんな内容の手紙を出したか」を郵便局が証明してくれる</strong>郵便です。それだけで返金させる力があるわけではありません。でも、<strong>相手に「この人は本気だ」と伝わる</strong>のと、のちに188や裁判所に相談するときの<strong>記録</strong>になります。</p>
<h3>料金のめやす</h3>
<p>日本郵便の料金で計算すると、1枚の手紙を送る場合で<strong>だいたい1,420円</strong>です。</p>
<ul>
<li>内容証明料：480円（2枚目からは1枚につき290円を加算）</li>
<li>一般書留：480円（内容証明は書留にするのが条件）</li>
<li>配達証明：350円（相手に届いた日を証明。つけておくのが安心）</li>
<li>普通の封書の郵便代：110円</li>
</ul>
<p>内容証明を扱っているのは、<strong>集配をしている郵便局など一部の局</strong>だけです。行く前に確認してください。ネットで24時間出せる<strong>「e内容証明」</strong>というサービスもあります。</p>
<h3>書く内容</h3>
<p>難しい法律の言葉はいりません。書くのは、これだけです。</p>
<blockquote>
<p>私は、○年○月○日まで、下記の物件を借りていました。<br />
○月○日に鍵を返却し、明け渡しを終えています。<br />
預けた敷金○○円のうち、まだ○○円が返金されていません。<br />
本書面の到着後2週間以内に、下記の口座へ返金してください。<br />
期限までに返金または誠実な回答がない場合は、消費生活センターへの相談や、法的な手続きを検討します。</p>
</blockquote>
<p>物件名、借りていた期間、敷金の額、返してほしい金額、振込先、期限。<strong>この6つが入っていれば十分</strong>です。</p>
<h2>ステップ5｜消費者ホットライン「188」に相談する</h2>
<p>内容証明を出しても動かない、または自分だけで交渉するのがしんどい。そのときは、<strong>消費者ホットライン「188（いやや）」</strong>に電話してください。住んでいる地域の<strong>消費生活センター</strong>につないでくれます。</p>
<p>相談は無料です（通話料はかかります）。相談員が話を聞いて、<strong>どう進めればいいかの助言</strong>をしてくれます。必要なときは、相手との間に入って話をまとめる<strong>あっせん</strong>をしてくれることもあります。</p>
<p>賃貸住宅の相談は毎年3万件以上あり、そのうち<strong>原状回復の相談は約4割</strong>だそうです。敷金の相談は、消費生活センターにとって「よくある相談」です。遠慮せずに使ってください。</p>
<p>相談するときは、次のものを手元に用意しておくと話が早いです。</p>
<ul>
<li>契約書（特約のページ）</li>
<li>入居したとき・退去したときの写真</li>
<li>精算書・明細</li>
<li>メールのやり取りと、内容証明の控え</li>
<li>鍵を返した日がわかるもの（レターパックの追跡番号など）</li>
</ul>
<h2>それでもダメなら｜少額訴訟と調停</h2>
<p>ここまでやっても返ってこないときの、最後の手段です。どちらも<strong>簡易裁判所</strong>の手続きです。</p>
<h3>少額訴訟｜60万円以下なら、原則1回で終わる裁判</h3>
<ul>
<li>使えるのは、<strong>60万円以下のお金の請求</strong>だけ。敷金の返金はたいてい入ります</li>
<li><strong>原則1回の審理で、その日に判決</strong>が出ます</li>
<li>手数料は、<strong>請求する金額10万円ごとに1,000円</strong>（たとえば18万円なら2,000円）。ほかに郵便代にあたる費用もかかります</li>
<li>証拠は<strong>その日にその場で調べられるもの</strong>だけ。写真・契約書・メールを全部そろえて行きます</li>
<li>判決に<strong>控訴はできません</strong>（同じ簡易裁判所に異議を出すことはできます）。また、相手が希望すると普通の裁判に移ることがあります</li>
<li>同じ簡易裁判所で使えるのは、<strong>1人につき年10回まで</strong></li>
</ul>
<h3>調停｜裁判ではなく、話し合いで決める</h3>
<p>民事調停は、裁判官と一般から選ばれた調停委員が間に入って、<strong>話し合いで解決する</strong>手続きです。手数料は少額訴訟より安く（10万円の請求なら500円）、<strong>9割以上が3か月以内に終わっている</strong>そうです。勝ち負けをはっきりさせるより、<strong>落としどころを見つけたいとき</strong>に向いています。</p>
<h3>放っておくと、請求できなくなる</h3>
<p>敷金を返してもらう権利にも、<strong>時効</strong>があります。原則として、<strong>請求できると知ったときから5年</strong>（または請求できるようになったときから10年）で、請求できなくなります（民法166条）。「そのうち」と思っているうちに年数がたたないよう、気づいたら早めに動いてください。</p>
<h2>【正直に書きます】取り戻せないお金もある</h2>
<p>ここまで読んで、「敷金は全部取り返せる」と思った人がいたら、それは違います。</p>
<ul>
<li><strong>自分でつけてしまった傷や汚れ</strong>の分は、払うものです。タバコのヤニ、ペットの傷、掃除をしなかったカビなどです</li>
<li><strong>金額と範囲がはっきり書かれ、説明も受けたクリーニング特約</strong>は、有効とされることがあります。「クリーニング代○万円」と書いてある契約書にサインしていれば、その分は払うことになる可能性が高いです</li>
<li><strong>未払いの家賃</strong>があれば、当然そこから引かれます</li>
</ul>
<p>私の場合も、もし契約書に「クリーニング代○万円」と書いてあって、それが4LDKの一軒家として妥当な額なら、払うのが筋だったと思います。<strong>払うべきものは払う。そのうえで、払わなくていいものは払わない</strong>。この記事で伝えたいのは、そこです。</p>
<h2>よくある質問</h2>
<h3>Q. 契約書に「退去時クリーニング代 ○万円」と金額まで書いてあります。払うしかないですか？</h3>
<p>A. 金額が書いてあって、契約のときに説明も受けているなら、有効とされることが多いです。ただ、ガイドラインは<strong>「費用として妥当か」</strong>も判断の材料にしています。部屋の広さに比べて極端に高い場合は、消費生活センターに相談してみてください。</p>
<h3>Q. 退去して2か月たちますが、何の連絡もありません。</h3>
<p>A. まず契約書に返す時期が書いていないか確認して、<strong>メールで「精算の明細と返金予定日を教えてください」</strong>と送ってください。返事がなければ、内容証明に進みます。</p>
<h3>Q. 立ち会いのときに、もうサインしてしまいました。</h3>
<p>A. ガイドラインでは、サインした分は基本的にその内容で決まるとしつつ、<strong>借りた人のせいではない傷みの分まで払う必要はない</strong>とも書いています（ガイドラインQ&amp;A Q14）。サインしたのが何に対してだったのかを、明細と照らし合わせてみてください。</p>
<h3>Q. 少額訴訟に、弁護士は必要ですか？</h3>
<p>A. 少額訴訟は、<strong>自分ひとりでもできるように作られた手続き</strong>です。簡易裁判所には、書き方の決まった訴状の用紙も用意されています。不安なら、手続きの前に消費生活センターや、簡易裁判所の窓口で相談してみてください。</p>
<h3>Q. 数万円のために、ここまでやる意味はありますか？</h3>
<p>A. 正直、そこは人それぞれです。でも、<strong>ステップ1〜3（鍵の返し方・明細・メール）は、ほとんどお金がかかりません</strong>。ここまでやるだけで、計算し直してくることはよくあります。最初から諦めるのは、もったいないと思います。</p>
<p>▶️ 住んでいる間に「家賃を上げたいので、同意のサインを」という書類が届いたら：<a href="https://trust-hidekichi.com/%e5%ae%b6%e8%b3%83%e3%81%ae%e5%80%a4%e4%b8%8a%e3%81%92%e3%81%af%e6%96%ad%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%99%ef%bd%9c%e3%80%8c%e5%90%8c%e6%84%8f%e3%81%ae%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%92%e3%80%8d%e3%81%a8/">家賃の値上げは断れます</a></p>
<h2>まとめ｜「返してください」は、文字で言う</h2>
<ul>
<li>鍵は<strong>返した日が残る方法</strong>で。持っていくより<strong>レターパックプラスで郵送</strong></li>
<li>「一式」には<strong>明細</strong>をもらう。貸した側には説明する義務がある</li>
<li>おかしな項目は、<strong>メールで「ガイドラインに沿って計算し直してください」</strong></li>
<li>動かなければ<strong>内容証明</strong>（1枚なら約1,420円）、それでもダメなら<strong>188</strong></li>
<li>少額訴訟・調停は<strong>最後の手段</strong>。時効は原則<strong>5年</strong></li>
<li>自分の過失の分は<strong>払う</strong>。払わなくていい分は<strong>払わない</strong></li>
</ul>
<p>私は「差額はサービスします」の一言で、敷金をまるごと手放しました。同じ思いをする人が一人でも減ればと思って、この記事を書きました。</p>
<p>退去の日の写真と、請求書の照らし合わせには、<a href="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/taikyo-checklist.pdf" target="_blank" rel="noopener">退去チェックリスト（PDF）</a>も使ってください。</p>
<p>▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e6%99%82%e3%81%ae%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e4%bb%a3%e3%80%81%e5%85%a8%e9%83%a8%e6%89%95%e3%81%86%e5%bf%85%e8%a6%81%e3%81%af%e3%81%82%e3%82%8a%e3%81%be%e3%81%9b%e3%82%93%ef%bd%9c/">何が借りた人の負担になるのか、詳しい線引きはこちら</a><br />
▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e3%81%ae%e7%ab%8b%e3%81%a1%e4%bc%9a%e3%81%84%e3%81%af%e6%96%ad%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%99%ef%bd%9c%e3%81%9d%e3%81%ae%e5%a0%b4%e3%81%a7%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%81%97%e3%81%aa/">退去の立ち会いと、その場でサインしない理由はこちら</a><br />
▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e8%b2%bb%e7%94%a8%e3%81%ae%e8%ab%8b%e6%b1%82%e6%9b%b8%e3%80%81%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e8%81%b7%e4%ba%ba%e3%81%af%e3%81%93%e3%81%93%e3%82%92%e8%a6%8b%e3%82%8b%ef%bd%9c%e3%80%8c/">請求書の数字を職人の目で読む方法はこちら</a></p>
<p><small>参考：国土交通省住宅局「<a href="https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html" target="_blank" rel="noopener">原状回復をめぐるトラブルとガイドライン（再改訂版）</a>」平成23年8月（p.6-7 特約の要件／p.25 別表3 ハウスクリーニングの負担区分／p.42 Q12 少額訴訟／p.43 Q14 立会い時のサイン／p.45 Q16 クリーニング特約・Q17 明細の請求／p.123-125 資料3・4 少額訴訟と民事調停）、民法166条・621条・622条の2、<a href="https://www.courts.go.jp/saiban/syurui/syurui_minzi/minzi_25_02/index.html" target="_blank" rel="noopener">裁判所「少額訴訟」</a>、日本郵便「内容証明」「レターパック」の案内ページ（2026年10月時点）。ハウスクリーニングの相場は住宅情報サイト（三井のリハウス・東急リバブル）の掲載額。</small></p>
]]></content:encoded>
					
					<wfw:commentRss>https://trust-hidekichi.com/%e6%95%b7%e9%87%91%e3%81%8c%e8%bf%94%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%93%e3%81%aa%e3%81%84%e6%99%82%e3%81%ae%e6%89%8b%e9%a0%86%ef%bd%9c%e6%98%8e%e7%b4%b0%e3%83%bb%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%bb%e5%86%85/feed/</wfw:commentRss>
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			</item>
		<item>
		<title>退去費用の請求書、クロス職人はここを見る｜「㎡数×単価」の読み方と、聞いておくべきこと</title>
		<link>https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e8%b2%bb%e7%94%a8%e3%81%ae%e8%ab%8b%e6%b1%82%e6%9b%b8%e3%80%81%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e8%81%b7%e4%ba%ba%e3%81%af%e3%81%93%e3%81%93%e3%82%92%e8%a6%8b%e3%82%8b%ef%bd%9c%e3%80%8c/</link>
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		<dc:creator><![CDATA[ひできち]]></dc:creator>
		<pubDate>Mon, 12 Oct 2026 11:15:23 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[暮らし]]></category>
		<category><![CDATA[原状回復]]></category>
		<category><![CDATA[賃貸]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://trust-hidekichi.com/?p=2711</guid>

					<description><![CDATA[退去したあと、管理会社から原状回復の請求書が届きます。「クロス張替　○○㎡　○○円」と並んだ数字を見て、高いのか安いのか、正直よく分からない。そんな人が多いと思います。 私は本業でクロス（壁紙）と塗装の仕事をしていて、退 [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>退去したあと、管理会社から原状回復の請求書が届きます。「クロス張替　○○㎡　○○円」と並んだ数字を見て、高いのか安いのか、正直よく分からない。そんな人が多いと思います。</p>
<p>私は本業で<strong>クロス（壁紙）と塗装</strong>の仕事をしていて、<strong>退去したあとの部屋を張り替える仕事</strong>をよく受けています。そして、その請求のもとになる<strong>見積もりを作っているのは、実は私たち職人</strong>です。</p>
<p>この記事では、見積もりを作る側の職人が、<strong>請求書のどこを見るか</strong>を書きます。前の記事で書いた「請求書が届いたら、ガイドラインと照らし合わせる」の、もう一歩先の話です。</p>
<p>▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e3%81%ae%e7%ab%8b%e3%81%a1%e4%bc%9a%e3%81%84%e3%81%af%e6%96%ad%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%99%ef%bd%9c%e3%81%9d%e3%81%ae%e5%a0%b4%e3%81%a7%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%81%97%e3%81%aa/">退去の立ち会いは断れます｜その場でサインしないで</a></p>
<h2>先に結論｜請求書で見るのは、この5つ</h2>
<ol>
<li><strong>単価と㎡数は、必ずセットで見る</strong>（単価が安く見えても、合計が安いとは限らない）</li>
<li><strong>「下地処理」「はがし」「処分費」が別に乗っていないか</strong>。乗っているなら、なぜ必要だったか</li>
<li><strong>張り替えた範囲が「部屋全体」になっていないか</strong>（借りた人の負担は、原則、傷のある1面まで）</li>
<li><strong>「一式」には内訳をもらう</strong></li>
<li><strong>入居のとき、クロス・床・設備にどこまで手を入れていたかを聞く</strong></li>
</ol>
<h2>【職人の現場】クロスの値段は「㎡数×単価」で決まる</h2>
<h3>見積もりを作るのは、職人です</h3>
<p>退去後の張り替えは、大家さんや管理会社から職人に依頼が来ます。職人は部屋を見て、<strong>「何㎡を、1㎡いくらで張るか」</strong>で見積もりを出します。クロスの見積もりは、基本的にこの<strong>㎡数×単価</strong>です。</p>
<p>その見積もりをもとに、管理会社が借りた人への請求書を作ります。だから請求書のクロスの欄も、たいていは「○○㎡×○○円」の形になっています。</p>
<p style="text-align: center;"><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-2714" src="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-mihoncho.png" alt="壁紙の見本帳のサンプルを見比べる禅ちゃん" width="1200" height="675" srcset="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-mihoncho.png 1200w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-mihoncho-800x450.png 800w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-mihoncho-320x180.png 320w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-mihoncho-224x126.png 224w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-mihoncho-150x84.png 150w" sizes="(max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></p>
<h3>単価の例｜私の店の場合</h3>
<p>私の店（職人直の店Trust）では、一般的な量産クロスの張り替えを<strong>1㎡あたり1,580円（税込・材料と工事込み）</strong>にしています。ここに、</p>
<ul>
<li>下地処理：1㎡あたり300円</li>
<li>ゴミ処分費：1㎡あたり120円</li>
</ul>
<p>を足して、<strong>1㎡あたり2,000円</strong>で計算しています。正直に言うと、うちは<strong>わりと高めの設定</strong>です。単価は店や地域でかなり違うので、「何円以上ならぼったくり」と言える線はありません。</p>
<h3>単価だけ見ても、高いか安いかは分からない</h3>
<p>ここが一番伝えたいところです。<strong>単価が安く見えても、㎡数が多ければ合計は同じ</strong>です。</p>
<p>見積もりの世界では、単価を値切られることがよくあります。そういうとき、単価だけ下げて、<strong>ほかの数字で帳尻が合っている</strong>ことは、正直あります。だから請求書は、<strong>単価だけで判断せず、㎡数と合計まで必ずセットで見て</strong>ください。</p>
<h2>㎡数は、自分でもざっくり確かめられる</h2>
<p>クロスの㎡数は、だいたいの目安があります。私の店の料金表では、こう見ています。</p>
<table>
<thead>
<tr>
<th>張る場所</th>
<th>㎡数の目安</th>
</tr>
</thead>
<tbody>
<tr>
<td>壁1面（アクセントクロスなど）</td>
<td>約3〜9㎡（壁の幅で変わる）</td>
</tr>
<tr>
<td>6畳ひと部屋（壁＋天井）</td>
<td>約45㎡</td>
</tr>
<tr>
<td>8畳ひと部屋（壁＋天井）</td>
<td>約55㎡</td>
</tr>
<tr>
<td>12畳のLDK（壁＋天井）</td>
<td>約75㎡</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>たとえば、<strong>傷があるのは壁1面だけなのに、請求の㎡数が40㎡を超えている</strong>なら、部屋全体で計算されている可能性があります。そのときは「何㎡は、どこの面ですか？」と聞いてみてください。</p>
<p>なお、職人は<strong>窓やドアの分は引いて</strong>㎡数を数えます。窓が大きい部屋なら、そのぶん㎡数は少なくなるはずです。請求の㎡数が多いと感じたら、「窓やドアの分は引いていますか？」と聞いてみてください。</p>
<p style="text-align: center;"><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-2713" src="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-shitaji.png" alt="めくれたクロスの下の傷んだ下地を見ておどろく禅ちゃん" width="1200" height="675" srcset="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-shitaji.png 1200w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-shitaji-800x450.png 800w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-shitaji-320x180.png 320w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-shitaji-224x126.png 224w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-seikyu-shitaji-150x84.png 150w" sizes="(max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></p>
<h2>「下地処理」「はがし」は、はがしてみないと分からない</h2>
<h3>基本、下地は悪い</h3>
<p>クロスの張り替えで、単価のほかに乗ってくるのが<strong>下地処理・はがし・諸費</strong>です。</p>
<p>これは職人の正直な話ですが、<strong>古いクロスは、はがしてみないと下地の状態も、はがしやすさも分かりません</strong>。そして退去後の部屋は、<strong>基本、下地は悪い</strong>です。古いクロスの裏紙が残ったり、下地のボードの表面が一緒にめくれたりして、パテで平らにする手間が増えます。</p>
<p>だから下地処理の費用がかかること自体は、おかしなことではありません。</p>
<h3>でも、下地が悪いのは、住んでいた人のせいとは限らない</h3>
<p>問題は、その下地処理を<strong>誰が払うか</strong>です。</p>
<p>私は、<strong>下地が悪いのは、基本的には住んでいた人のせいではない</strong>と思っています。何年も前に張ったクロスと下地が、年数で傷んでいるだけのことが多いからです。</p>
<p>ただし、<strong>ヤニやカビが明らかに多い部屋</strong>は別です。タバコのヤニが下地まで染みている、カビを放っておいて下地まで黒くなっている。こういう部屋は、入居していた側の負担だと思います。</p>
<p>国土交通省のガイドラインも、<strong>タバコのヤニでクロスが変色したり臭いがついた場合</strong>や、<strong>結露を放っておいてカビが広がり、壁を傷めた場合</strong>は、借りた人の負担としています。逆に言えば、そういう原因がない普通の下地の傷みは、年数によるものとして考えるのが筋です。</p>
<h3>「下地処理一式」は、何をしたのか聞く</h3>
<p>請求書に「下地処理一式　○万円」とだけ書いてあったら、<strong>どの面に、何をしたのか</strong>を聞いてください。ヤニやカビのせいなのか、ただの経年なのかで、払う人が変わるからです。</p>
<h2>「部屋全体」で請求されていたら</h2>
<h3>職人は「全部やったほうがいい」と提案する。でも押し通さない</h3>
<p>前の記事でも書きましたが、クロスは1面だけ張り替えると、<strong>日焼けや廃番、製造ロットの違いで色が合いません</strong>。だから私も、お客さんが「1面だけでいい」と言ったときは、「どうせなら全部のほうがいいですよ」と<strong>提案はします</strong>。</p>
<p>でも、<strong>こちらの意見を押し通すことはしません</strong>。1面でいいと言われれば、1面です。</p>
<h3>ガイドラインは「借りた人の負担は、傷のある1面まで」</h3>
<p>国交省のガイドラインも同じ考え方です。部屋全体の色をそろえるのは、<strong>次に貸すための見栄え（商品価値）を上げる</strong>意味が大きい。だから部屋全体の張り替え代を借りた人に払わせると、<strong>大家さんが原状回復以上の得をすることになり、妥当ではない</strong>、と書いています。</p>
<p>そのうえで、1か所だけ張り替えると継ぎ目がはっきり分かってしまうので、<strong>傷のある面を含む1面分</strong>までは借りた人の負担が妥当、としています（タバコで部屋全体が汚れた場合は別）。</p>
<h3>「最低料金」の扱いは、考え方が分かれる</h3>
<p>ここは正直に、両方の考え方を書きます。</p>
<p>小さな工事には、どの店にも<strong>最低料金</strong>があります（私の店は40,000円）。壁1面だけでも、道具と材料を積んで現場に行き、はがして、下地を整えて、張って、片付ける手間は変わらないからです。「1面でも㎡単価でやってもらえる」と思っている人もいますが、1面だけの工事なら、最低料金になるのが普通です。</p>
<p>よくあるのが、<strong>大家さんが部屋をまるごと張り替えて、そのうち借りた人には「1面分の最低料金」を請求する</strong>形です。大家さんにとっては、部屋全体の工事代が少し安くなります。<strong>職人の目から見ると、これは普通にある話</strong>です。</p>
<p>一方で、ガイドラインの考え方に沿うと、別の見方もできます。部屋全体を一度に張り替えたなら、その1面を張る手間は<strong>部屋全体の工事の中に含まれていて</strong>、1面だけを張りに行ったわけではありません。そう考えると、借りた人の負担は<strong>「1面の㎡数×単価」</strong>で計算するほうが筋だ、という考え方です。</p>
<p>数字で比べると、こうなります（私の店の料金・6畳の壁1面＝約9㎡・新品で入居して3年の場合）。</p>
<table>
<thead>
<tr>
<th>計算の仕方</th>
<th>張り替え代</th>
<th>3年分を差し引いた負担の目安</th>
</tr>
</thead>
<tbody>
<tr>
<td>1面分を最低料金で計算</td>
<td>40,000円</td>
<td>約20,000円</td>
</tr>
<tr>
<td>1面分を㎡単価で計算（9㎡×2,000円）</td>
<td>18,000円</td>
<td>約9,000円</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>どちらが正しいと決めているルールはありません。ガイドラインは「当事者の間で<strong>不公平にならないように</strong>」と書いているだけです。ただ、<strong>部屋全体を張り替えたのに、1面分は最低料金</strong>という請求なら、「実際の工事は部屋全体ですか？　1面分を㎡で計算するといくらですか？」と聞いてみる価値はあります。</p>
<h2>【職人の本音】見積もりのあとに、取り分が乗ることもある</h2>
<p>見積もりを作るのは職人です。でも、借りた人に届く請求書は、その見積もりを<strong>管理会社などが作り直したもの</strong>です。そのとき、<strong>自分たちの取り分を乗せて出すケースはある</strong>と思います。</p>
<p>私は、それ自体は悪いことだとは思いません。管理会社も、職人の手配や大家さんとのやり取りをしています。<strong>手数料の範囲なら、いい</strong>と思っています。</p>
<p>問題は、それが手数料の範囲を超えているかどうかが、<strong>請求書からは見えない</strong>ことです。だからこそ、<strong>㎡数・単価・範囲・経過年数</strong>を一つずつ確かめることが大事になります。工事の内訳（何㎡を、いくらで）を聞くのは、借りた人として当然のことです。</p>
<h2>入居のとき、どこまで手を入れていたかを聞く</h2>
<h3>聞かないと、相手の言いなりになる</h3>
<p>職人として一番すすめたいのが、これです。<strong>入居のとき、クロス・床・設備にどこまで手を入れていたか</strong>を確認してください。</p>
<p>クロスは6年で価値がほぼ1円になる、という考え方がガイドラインにあります。でもその「6年」が<strong>いつから数え始めるのか</strong>は、入居のときにクロスが新品だったかどうかで変わります。前の人が住んだままのクロスなら、入居した時点で、もう何年分か価値が減っているからです。</p>
<p>ここを聞かずにいると、<strong>入居の時点で新品だった前提</strong>で計算されても、言い返す材料がありません。</p>
<p>私は、<strong>張り替えや交換の記録は、どこかに絶対残っている</strong>と思っています。工事をすれば、職人への発注も請求も残るからです。</p>
<h3>ただし「分からない」と言われることもある</h3>
<p>正直に書くと、ガイドラインには反対のことも書かれています。設備ごとに交換の時期はばらばらで、<strong>その記録を大家さんや管理会社が完全に把握していることは少ない</strong>、と。</p>
<p>だから、聞いても「分からない」と言われるかもしれません。そのときは、<strong>「分からない」という答えもメールで残してください</strong>。新品だったと示せないのに、新品だった前提で計算するのはおかしい、と言えるからです。ガイドラインも、入居したときの状態をどこから数えるかは、<strong>契約のときに当事者で確認して決めるのが望ましい</strong>としています。これから部屋を借りる人は、契約の前に聞いておくのが一番です。</p>
<h2>請求書を見たら、聞くこと</h2>
<p>ここまでの話を、聞くことにまとめるとこうなります。電話ではなく、<strong>メールで</strong>聞いて、答えを文字に残してください。</p>
<blockquote>
<p>○○マンション○号室の○○です。<br />
原状回復費用のご請求について、内容を確認させてください。<br />
1．クロス張替の○○㎡は、どの部屋のどの面ですか。<br />
2．下地処理（○○円）は、どの面に、どのような理由で必要でしたか。<br />
3．入居時（○年○月）に、クロス・床・設備はどこまで張り替え・交換されていましたか。<br />
4．経過年数と、借主の負担割合はどのように計算されていますか。<br />
お手数ですが、ご回答をお願いいたします。</p>
</blockquote>
<p>ガイドラインには、精算の明細書の見本（別表4）が載っていて、箇所ごとに<strong>「単価×数量＝金額」と、経過年数、負担割合</strong>を書く形になっています。明細をこの形で出してもらうのが、本来の姿です。</p>
<h2>【正直に書きます】高い＝ぼったくり、ではない</h2>
<p>最後に、職人の側からも言わせてください。</p>
<ul>
<li><strong>単価は店ごとに違います</strong>。うちのように高めの店もあります。単価が高いだけで「ぼったくり」とは言えません</li>
<li><strong>最低料金</strong>も、職人が現場に行く以上、必要なものです。1面だけの工事が数千円で済むことは、まずありません</li>
<li><strong>下地処理</strong>も、はがしてみて必要になったものなら、手間としては本物です</li>
<li>タバコのヤニ、落書き、ペットの傷など、<strong>自分の過失の分は払うのが筋</strong>です</li>
</ul>
<p>見るべきなのは、金額の大きさではなく、<strong>自分の過失の分を、正しい範囲で、年数を引いて計算しているか</strong>です。</p>
<h2>よくある質問</h2>
<h3>Q. 請求書に「原状回復工事一式」としか書いてありません。</h3>
<p>A. 何に、いくら払うのか分からない請求は、そのまま払わないでください。「㎡数と単価、経過年数が分かる明細をください」とメールで頼みましょう。ガイドラインの明細書の見本も、箇所ごとに書く形です。</p>
<h3>Q. 単価が1,000円以下でした。安いので、そのまま払っていいですか？</h3>
<p>A. 単価が安くても、㎡数が多ければ合計は変わりません。<strong>何㎡を、どこに張ったのか</strong>を確かめてから判断してください。</p>
<h3>Q. 業者の見積書そのものを見せてもらえますか？</h3>
<p>A. 見せる義務が決まっているわけではないので、断られることもあります。それでも、<strong>「何㎡を、いくらで」という内訳</strong>を聞くことはできます。内訳が出てこない請求は、それだけで「納得できない」と伝える理由になります。</p>
<h3>Q. 下地の補修代まで請求されました。払うべきですか？</h3>
<p>A. タバコのヤニやカビを放っておいて下地まで傷んだなら、払うことになる可能性があります。そうでなければ、年数による傷みのことが多いはずです。<strong>どの面に、どんな理由で</strong>下地処理が必要だったのかを聞いてください。</p>
<h3>Q. 聞いても答えてくれません。</h3>
<p>A. やり取りをメールで残したうえで、消費生活センター（消費者ホットライン「188」）に相談してください。2020年4月からは民法にも、普通に使ってできた傷みや経年変化は借りた人が直す義務を負わないと書かれています（民法621条）。</p>
<p>▶️ 退去したあと、敷金がなかなか返ってこない・ほとんど残らなかったときの手順（明細・メール・内容証明・188）は<a href="https://trust-hidekichi.com/%e6%95%b7%e9%87%91%e3%81%8c%e8%bf%94%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%93%e3%81%aa%e3%81%84%e6%99%82%e3%81%ae%e6%89%8b%e9%a0%86%ef%bd%9c%e6%98%8e%e7%b4%b0%e3%83%bb%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%bb%e5%86%85/">敷金が返ってこない時の手順</a></p>
<h2>まとめ｜金額ではなく、中身を見る</h2>
<ul>
<li>クロスの請求は<strong>㎡数×単価</strong>。単価だけでなく、<strong>㎡数と合計をセットで</strong>見る</li>
<li>下地処理は、はがしてみないと分からない。でも<strong>下地の傷みは、基本は住んでいた人のせいではない</strong>（ヤニ・カビが多い部屋は別）</li>
<li>借りた人の負担は、原則<strong>傷のある1面まで</strong>。部屋全体を張り替えたなら、1面分の計算の仕方も聞く</li>
<li>見積もりのあとに管理会社の取り分が乗ることもある。<strong>手数料の範囲かどうかは、内訳でしか分からない</strong></li>
<li><strong>入居のとき、どこまで手を入れていたか</strong>を聞く。答えはメールで残す</li>
</ul>
<p>退去の日の写真と、請求書の照らし合わせには、<a href="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/taikyo-checklist.pdf" target="_blank" rel="noopener">退去チェックリスト（PDF）</a>も使ってください。</p>
<p>▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e6%99%82%e3%81%ae%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e4%bb%a3%e3%80%81%e5%85%a8%e9%83%a8%e6%89%95%e3%81%86%e5%bf%85%e8%a6%81%e3%81%af%e3%81%82%e3%82%8a%e3%81%be%e3%81%9b%e3%82%93%ef%bd%9c/">何が借りた人の負担になるのか、詳しい線引きはこちら</a><br />
▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e3%81%ae%e7%ab%8b%e3%81%a1%e4%bc%9a%e3%81%84%e3%81%af%e6%96%ad%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%99%ef%bd%9c%e3%81%9d%e3%81%ae%e5%a0%b4%e3%81%a7%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%81%97%e3%81%aa/">退去の立ち会いと、請求書が届いたときの手順はこちら</a></p>
<p><small>参考：国土交通省住宅局「<a href="https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html" target="_blank" rel="noopener">原状回復をめぐるトラブルとガイドライン（再改訂版）</a>」平成23年8月（p.12-13 経過年数と入居時の状態／p.14-15 借主の負担対象範囲／p.18 タバコのヤニ・結露を放置したカビ／p.28 別表4 精算明細書の様式例）、民法621条。料金は職人直の店Trust（相模原）の2026年10月時点の料金表より。</small></p>
]]></content:encoded>
					
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			</item>
		<item>
		<title>退去の立ち会いは断れます｜その場でサインしないで。クロス職人が教える、退去費用で損しない手順</title>
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		<dc:creator><![CDATA[ひできち]]></dc:creator>
		<pubDate>Sat, 10 Oct 2026 09:25:44 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[暮らし]]></category>
		<category><![CDATA[原状回復]]></category>
		<category><![CDATA[賃貸]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://trust-hidekichi.com/?p=2703</guid>

					<description><![CDATA[賃貸の部屋を出るとき、管理会社から「退去の立ち会いの日を決めてください」と連絡が来ます。 なんとなく「行かなきゃいけないもの」だと思っていませんか。そして、その場で見せられた書類に、よく分からないままサインしていませんか [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>賃貸の部屋を出るとき、管理会社から「退去の立ち会いの日を決めてください」と連絡が来ます。</p>
<p>なんとなく「行かなきゃいけないもの」だと思っていませんか。そして、その場で見せられた書類に、よく分からないままサインしていませんか。</p>
<p>私は本業で<strong>クロス（壁紙）と塗装</strong>の仕事をしていて、<strong>退去したあとの部屋を張り替える仕事</strong>をよく受けています。原状回復の現場で、実際に手を動かしている側の人間です。</p>
<p>その立場から、はっきり言います。<strong>退去の立ち会いには、私は賛成できません。</strong></p>
<p>立ち会いは<strong>法律で決まった義務ではなく、断ることができます</strong>。そして一番大事なのは、<strong>その場で金額の書類にサインしないこと</strong>です。この記事では、その理由と、立ち会わずに損をしないための手順を書きます。</p>
<h2>先に結論｜退去で損しないための5つ</h2>
<ol>
<li><strong>立ち会いは義務ではない。断れる</strong>（契約書に書いてあっても、その場でサインする義務まではない）</li>
<li><strong>退去の日に、自分で部屋じゅうの写真を撮る</strong>（自分がつけた傷も含めて全部）</li>
<li><strong>請求は、後日「書面」で受け取る</strong></li>
<li><strong>届いた請求書を、ガイドラインと自分の過失に照らし合わせる</strong></li>
<li><strong>おかしければ「ガイドラインに沿って作り直してください」とメールする</strong>（電話ではなく、文字に残す）</li>
</ol>
<p>原状回復の「誰が何を払うか」の線引きは、前の記事で詳しく書きました。この記事は、その<strong>線引きを使って、実際にどう身を守るか</strong>の話です。</p>
<p>▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e6%99%82%e3%81%ae%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e4%bb%a3%e3%80%81%e5%85%a8%e9%83%a8%e6%89%95%e3%81%86%e5%bf%85%e8%a6%81%e3%81%af%e3%81%82%e3%82%8a%e3%81%be%e3%81%9b%e3%82%93%ef%bd%9c/">退去時のクロス代、全部払う必要はありません｜張り替えている職人が教える原状回復の線引き</a></p>
<h2>【職人の現場】立ち会いの場で、何が起きているか</h2>
<h3>来るのは、管理会社の人とは限らない</h3>
<p>立ち会いに来るのは、管理会社の社員だと思っている人が多いと思います。でも実際は、<strong>管理会社から委託された人</strong>が来ることがよくあります。</p>
<p>その人が部屋を回りながら、「ここは修理しないといけないですね」「ここも張り替えですね」と、あちこちを指していきます。中には、<strong>借りた人の過失ではないもの</strong>まで含まれています。</p>
<h3>その場でサインを求められる</h3>
<p>そして最後に、<strong>修理費の書類にその場でサインを求められます</strong>。金額が大きいこともあります。</p>
<p>向こうは、<strong>その場でサインをもらいたい</strong>のです。サインがあれば「借りた人も納得した」ことになるので、あとで揉めにくくなるからです。</p>
<p>立ち会いの場は、言ってみれば<strong>記録に残らない密室</strong>です。「ここは直してもらわないと困るんですよ」と押されれば、<strong>本来なら数万円で済む修繕が、何十万円という請求</strong>になっていることもあります。その金額に、その場でサインさせようとするわけです。</p>
<h3>難しい言葉を出されると、言い返せない</h3>
<p>「善管注意義務が」「特約で」「原状回復の範囲として」──。こういう<strong>難しい言葉や法律の話をちらつかされると、普通の人は言い返せません</strong>。「そういうものなのか」と思って、サインしてしまいます。</p>
<p>はっきり言えば、<strong>知らないことにつけ込まれている</strong>のです。</p>
<h3>「今サインしてもらえれば、敷金の範囲内に収めますよ」</h3>
<p>立ち会いの場でよくあるのが、この言い方です。</p>
<p>大家さんや管理会社は、<strong>敷金をできるだけ返したくない</strong>。だから、あれもこれもと修理を<strong>追加、追加</strong>して、<strong>多めの金額</strong>を出してきます。そのうえで、</p>
<p><strong>「今サインしていただけるなら、敷金の範囲内に収めますよ」</strong></p>
<p>と持ちかけてくるのです。</p>
<p>言われた側は、「追加で払わなくていいなら」とホッとしてサインしてしまいます。でも、<strong>元の金額が多めに盛られている</strong>のですから、本当は<strong>敷金の一部、場合によってはほとんどが返ってくるはずだった</strong>かもしれません。<strong>「敷金で収まる」は、得ではありません</strong>。</p>
<h3>一人で立ち会うのは、特に気をつけてほしい</h3>
<p>一人暮らしの人、とくに<strong>女性が一人で立ち会う場合</strong>は注意してください。強い口調で押されたり、威圧的な態度を取られたりして、<strong>サインするまで帰りにくい空気</strong>を作られることもあると聞きます。</p>
<p>そんなリスクを負ってまで、立ち会いに行く必要はありません。</p>
<h3>大家さん・管理会社は「とりあえず色々言ってくる」</h3>
<p>大家さんや管理会社からすれば、修理費は<strong>なるべく借りた人に払ってほしい</strong>のが本音です。だから、<strong>払わなくていいものも含めて、とりあえず色々言ってきます</strong>。</p>
<p>悪意があるかどうかは別として、<strong>最初に出てくる金額は「言ってみた金額」</strong>くらいに思っておいた方がいいです。</p>
<h2>立ち会いは義務ではありません</h2>
<p>退去の立ち会いについて、<strong>借りた人に参加を義務づける法律はありません</strong>。断ることができます。</p>
<p>契約書に「退去時は立ち会うこと」と書いてある場合もあります。ただ、<strong>それ自体に、立ち会いを強制する力はない</strong>とされています。<strong>鍵を返して、退去の届けを出せば、退去そのものは完了</strong>します。</p>
<p>そして、<strong>仮に立ち会ったとしても、その場で金額の書類にサインする義務はありません</strong>。</p>
<h3>ガイドラインは立ち会いを勧めている。でも「その場で金額に合意」とは書いていない</h3>
<p>正直に書いておきます。国土交通省の「<a href="https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html" target="_blank" rel="noopener">原状回復をめぐるトラブルとガイドライン</a>」は、入居時と退去時にチェックリストを作って、<strong>貸す側と借りる側が立ち会って確認することを勧めています</strong>。</p>
<p>ただ、ガイドラインが示している手順をよく見ると、流れはこうなっています。</p>
<ol>
<li>退去時に、部屋の状態を確認する</li>
<li>借りた人の負担がどこまでかを検討する（範囲・面積・経過年数）</li>
<li><strong>見積もりを出して、借りた人に連絡する</strong></li>
<li><strong>見積もりの金額に合意する</strong></li>
<li>精算（請求書の送付と確認）</li>
</ol>
<p>つまり、<strong>金額に合意するのは、見積もりが出たあと</strong>です。部屋を見たその場で、金額の書類にサインするという流れにはなっていません。</p>
<p>立ち会いの目的は「部屋の状態を一緒に確認すること」であって、「その場で払う金額を決めること」ではないのです。</p>
<h2>立ち会いを断るなら、伝え方はシンプルでいい</h2>
<p>断るときは、<strong>メールで</strong>伝えるのがおすすめです。電話だと言いくるめられやすく、記録も残りません。</p>
<p>いちばん短く言うなら、<strong>「退去には立ち会いません。請求があれば書面でください」</strong>。これだけでも十分です。</p>
<p>もう少していねいに書くなら、たとえばこんな感じです。</p>
<blockquote>
<p>○○マンション○号室の○○です。<br />
○月○日に退去いたします。<br />
退去時の立ち会いは、都合により参加できません。<br />
室内の状態は、退去日に私のほうで写真を撮影して保管しております。<br />
原状回復費用につきましては、国土交通省のガイドラインに沿った明細（箇所・面積・経過年数・負担割合）を、書面またはメールでお送りください。<br />
鍵の返却方法についてもご指示ください。</p>
</blockquote>
<p>ポイントは2つです。</p>
<ul>
<li><strong>「写真を撮ってある」と先に伝えておく</strong>。これだけで、根拠のない請求はしにくくなります</li>
<li><strong>「明細で送ってください」と最初に頼んでおく</strong>。「一式○○円」ではなく、どこを何㎡、何年分差し引いたかを出してもらいます</li>
</ul>
<p>鍵は、<strong>事務所に持っていくより、郵送で返すのがおすすめ</strong>です。持っていくと、その場で部屋の話になったり、書類へのサインを求められたりしかねません。</p>
<p>郵送するなら<strong>レターパックプラス（600円）</strong>を使ってください。郵便受けに入れるのではなく、<strong>相手に手渡しして受領印をもらう</strong>仕組みで、<strong>追跡番号で何日に届いたか</strong>も残ります。「鍵を受け取っていない」「まだ退去が終わっていない」と言われずに済みます。青いレターパックライトは郵便受けに入れて終わりなので、鍵には赤いプラスのほうを使ってください。物件によって返し方の決まりがあることもあるので、先にメールで確認しておくと安心です。</p>
<p style="text-align: center;"><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-2736" src="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-sankyaku.png" alt="三脚に立てたスマホで空っぽの部屋の壁を撮る禅ちゃん" width="1200" height="675" srcset="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-sankyaku.png 1200w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-sankyaku-800x450.png 800w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-sankyaku-320x180.png 320w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-sankyaku-224x126.png 224w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-sankyaku-150x84.png 150w" sizes="(max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></p>
<h2>退去の日に、自分で写真を撮る｜撮っておくべき場所</h2>
<p>立ち会いを断るなら、<strong>写真は必ずセット</strong>です。立ち会わない場合、部屋の状態の記録が大家さん側の写真だけになってしまうからです。</p>
<p>荷物を全部出して、掃除が終わった状態で撮ります。<strong>多すぎて困ることはありません</strong>。全部片付いたら消せばいいだけです。</p>
<div style="border: 2px solid #e8843a; border-radius: 8px; background: #fbf6ef; padding: 14px 18px; margin: 1.5em 0;">
<p style="margin: 0 0 6px;"><strong>📄 退去チェックリスト（PDF・A4で2枚・無料）</strong></p>
<p style="margin: 0 0 6px;">1枚目＝退去の日の写真チェックリスト（部屋ごと・自分の傷のメモ欄つき）／2枚目＝請求書が届いたときの照らし合わせリストと、メールの文例。印刷しても、スマホで見ながらでも使えます。</p>
<p style="margin: 0;">▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/taikyo-checklist.pdf" target="_blank" rel="noopener">チェックリストをダウンロードする（PDF）</a></p>
</div>
<h3>部屋全体と、壁の各面</h3>
<p>まず、<strong>部屋全体</strong>を入口から撮ります。そのあと、<strong>壁を1面ずつ</strong>、正面から撮ってください。天井も忘れずに。</p>
<p>クロスは<strong>面ごとに張り替える</strong>ことが多いので、「この面には何もなかった」と言える写真があると強いです。</p>
<h3>床（傷とへこみ）</h3>
<p>フローリングやクッションフロアの<strong>傷・へこみ</strong>は、近くから撮ってください。家具を置いていた跡のへこみは、住んでいれば普通にできるもので、基本的に借りた人の負担ではありません。それでも、<strong>どのくらいのへこみだったか</strong>は記録しておきます。</p>
<h3>水回りと鏡</h3>
<p>キッチン・お風呂・洗面台・トイレ。それに<strong>洗面所の鏡</strong>。水回りは汚れが出やすく、「クリーニングでは落ちない」と言われやすい場所です。掃除したあとの状態を撮っておきましょう。</p>
<h3>自分がつけてしまった傷も、撮っておく</h3>
<p>ここが大事です。<strong>クロスの大きな傷や、開けてしまった穴など、自分の過失も一応撮っておいてください</strong>。</p>
<p>隠すためではありません。<strong>「傷はこの大きさ、この範囲だった」と示すため</strong>です。自分の過失の分は払うのが筋ですが、<strong>払うのは「その傷の分」だけ</strong>です。写真がないと、小さな傷が「壁一面の張り替え」に化けても反論できません。</p>
<h3>なかったはずの傷を、増やされないために</h3>
<p>残念ながら、<strong>退去後に元からなかった傷まで請求される、悪質なケースもあります</strong>。自分が出たあとの部屋で何があったかは、借りた人には分かりません。</p>
<p>だからこそ、<strong>退去した時点の写真</strong>が自分を守ってくれます。スマホの写真には撮影日時が残るので、そのまま保管しておけば十分です。</p>
<p style="text-align: center;"><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-2737" src="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-seikyusho.png" alt="テーブルで請求書を1行ずつチェックする禅ちゃん" width="1200" height="675" srcset="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-seikyusho.png 1200w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-seikyusho-800x450.png 800w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-seikyusho-320x180.png 320w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-seikyusho-224x126.png 224w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2703-seikyusho-150x84.png 150w" sizes="(max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></p>
<h2>請求書が届いたら｜ガイドラインと照らし合わせる</h2>
<p>立ち会いを断っても、後日、管理会社や大家さんから<strong>請求書（精算書）</strong>が届きます。届いたら、すぐに払わずに次の点を確認してください。</p>
<table>
<thead>
<tr>
<th>確認すること</th>
<th>見るポイント</th>
</tr>
</thead>
<tbody>
<tr>
<td>その傷は、自分の過失か</td>
<td>日焼け・冷蔵庫の裏の黒ずみ・画びょう穴・家具のへこみは、基本的に大家さん負担</td>
</tr>
<tr>
<td>範囲（何㎡か）</td>
<td>クロスは原則㎡単位。広くても<strong>傷のある1面まで</strong>（タバコで部屋全体が汚れた場合を除く）</td>
</tr>
<tr>
<td>経過年数</td>
<td>クロスは<strong>6年で価値1円</strong>。住んだ年数の分は差し引かれているか</td>
</tr>
<tr>
<td>負担割合</td>
<td>大家さんと借りた人で、何％ずつになっているか</td>
</tr>
<tr>
<td>「一式」になっていないか</td>
<td>「原状回復工事一式 ○○円」だけでは、何に払うのか分からない</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>ガイドラインには、精算の明細書の見本（別表4）も載っています。そこには<strong>箇所ごとに「単価・数量・経過年数・大家さんの負担割合・借りた人の負担割合」</strong>を書く欄があります。つまり、<strong>明細はこのくらい細かく出すのが本来の形</strong>です。</p>
<p>そのうえで、<strong>自分の写真と、自分の過失の分</strong>を照らし合わせて、払うかどうかを判断します。</p>
<h2>おかしな請求なら「ガイドラインに沿って作り直してください」とメールする</h2>
<p>明らかにおかしな請求なら、<strong>作り直してもらいましょう</strong>。ここでも、<strong>電話ではなくメール</strong>です。言った・言わないにならないよう、<strong>文字に残します</strong>。</p>
<blockquote>
<p>○○マンション○号室の○○です。<br />
原状回復費用のご請求書を拝見しました。<br />
以下の点について、国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に沿っていないように思われます。<br />
・○○（例：冷蔵庫裏のクロスの黒ずみ）は、通常の使用による損耗と考えます<br />
・○○（例：クロスの張り替え範囲）が、傷のある面を超えています<br />
・経過年数（入居○年）が考慮されていません<br />
ガイドラインおよび契約書に沿って、明細を作り直していただけますでしょうか。<br />
退去時の写真は保管しておりますので、必要であればお送りします。</p>
</blockquote>
<h3>【職人の本音】ちゃんと言えば、作り直してくることが多い</h3>
<p>これは実際にある話です。<strong>ちゃんと意見を言ってくる人には、管理会社は請求を作り直してきます</strong>。</p>
<p>理由は単純で、<strong>面倒だから</strong>です。ガイドラインを持ち出してくる人とやり取りを続けると、時間も手間もかかります。何万円かのために揉め続けるのは、<strong>向こうにとっても割に合わない</strong>のです。だから、契約書やガイドラインに沿って作り直してきます。</p>
<p>逆に言えば、<strong>何も言わずにサインした人、何も言わずに払った人は、そのまま</strong>です。</p>
<h2>【正直に書きます】自分の過失の分は払う</h2>
<p>ここまで「払わなくていい」話を書いてきましたが、<strong>自分がつけた傷は、自分で払うのが筋</strong>です。</p>
<ul>
<li>家具をぶつけて開けたクロスの穴</li>
<li>落書き</li>
<li>タバコのヤニ・臭い</li>
<li>ペットのひっかき傷</li>
<li>結露を放置して広げたカビ</li>
</ul>
<p>こういうものは、ガイドラインでも借りた人の負担です（ただし、クロスの経過年数の分は差し引かれます）。</p>
<p>この記事で言いたいのは、<strong>「何も払うな」ではなく「払う分だけ払おう」</strong>ということです。そのために、写真を撮り、明細をもらい、照らし合わせるのです。</p>
<h3>立ち会いを断ることのデメリットも</h3>
<p>立ち会いを断ると、<strong>その場で話が終わらない</strong>ので、メールのやり取りが増えることがあります。手間はかかりますが、そのやり取りが<strong>文字の記録</strong>として残ります。</p>
<p>どうしても立ち会うことになった場合は、<strong>「金額は、明細をもらってから確認します」と言って、その場ではサインしない</strong>。これだけ守れば大丈夫です。</p>
<h2>話がまとまらないときは</h2>
<ul>
<li>2020年4月からは<strong>民法</strong>にも、普通に使ってできた傷みや経年変化は、借りた人が直す義務を負わないと書かれています（民法621条）</li>
<li>敷金は、未払いの家賃などを差し引いた残りを<strong>返さなければならない</strong>と、これも民法に書かれています（民法622条の2）</li>
<li>それでも納得できないときは、<strong>消費生活センター（消費者ホットライン「188」）</strong>に相談できます。そのときも、<strong>写真とメールのやり取り</strong>がそのまま役に立ちます</li>
</ul>
<h2>よくある質問</h2>
<h3>Q. 契約書に「立ち会いをする」と書いてあります。断れませんか？</h3>
<p>A. 契約書に書いてあっても、<strong>立ち会いを強制する力はない</strong>とされています。鍵の返却と退去の届けで、退去は完了します。もし立ち会うことにした場合も、<strong>その場で金額の書類にサインする義務はありません</strong>。「金額は明細をもらってから確認します」と伝えて、持ち帰ってください。</p>
<h3>Q. 立ち会いのとき、もうサインしてしまいました。</h3>
<p>A. サインした書類に何が書いてあったか（金額が書いてあったか、「状態を確認した」だけか）をまず確認してください。金額に納得していないなら、<strong>早めにメールで</strong>「ガイドラインに沿っていない点がある」と伝え、消費生活センター（188）にも相談してみてください。</p>
<h3>Q. 退去日に写真を撮り忘れました。</h3>
<p>A. 入居時の写真があれば、それも使えます。どちらもない場合でも、<strong>請求書の明細を出してもらい、ガイドラインと照らし合わせる</strong>ことはできます。「一式」の請求には、内訳を求めてください。</p>
<h3>Q. 写真はどのくらい撮ればいいですか？</h3>
<p>A. <strong>多すぎて困ることはありません</strong>。部屋全体、壁の各面、天井、床、水回り、鏡、そして自分がつけた傷。敷金の精算が全部終わったら消せばいいだけです。</p>
<p>▶️ 届いた請求書の数字（㎡数・単価・下地処理・最低料金）を職人の目でどう読むかは、こちらにまとめました：<a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e8%b2%bb%e7%94%a8%e3%81%ae%e8%ab%8b%e6%b1%82%e6%9b%b8%e3%80%81%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e8%81%b7%e4%ba%ba%e3%81%af%e3%81%93%e3%81%93%e3%82%92%e8%a6%8b%e3%82%8b%ef%bd%9c%e3%80%8c/">退去費用の請求書、クロス職人はここを見る</a></p>
<p>▶️ 退去したあと、敷金がなかなか返ってこない・ほとんど残らなかったときの手順（明細・メール・内容証明・188）は<a href="https://trust-hidekichi.com/%e6%95%b7%e9%87%91%e3%81%8c%e8%bf%94%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%93%e3%81%aa%e3%81%84%e6%99%82%e3%81%ae%e6%89%8b%e9%a0%86%ef%bd%9c%e6%98%8e%e7%b4%b0%e3%83%bb%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%bb%e5%86%85/">敷金が返ってこない時の手順</a></p>
<p>▶️ 住んでいる間に「家賃を上げたいので、同意のサインを」という書類が届いたら：<a href="https://trust-hidekichi.com/%e5%ae%b6%e8%b3%83%e3%81%ae%e5%80%a4%e4%b8%8a%e3%81%92%e3%81%af%e6%96%ad%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%99%ef%bd%9c%e3%80%8c%e5%90%8c%e6%84%8f%e3%81%ae%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%82%92%e3%80%8d%e3%81%a8/">家賃の値上げは断れます</a></p>
<h2>まとめ｜その場でサインしない。文字に残す</h2>
<p>退去の立ち会いで損をしないためのポイントは、これだけです。</p>
<ul>
<li><strong>立ち会いは義務ではない。断れる</strong></li>
<li>断るなら、<strong>退去の日に部屋じゅうの写真を撮る</strong>（自分の過失も含めて）</li>
<li><strong>その場で金額にサインしない</strong>。ガイドラインの流れでも、金額の合意は見積もりのあと</li>
<li>請求書は<strong>ガイドラインと自分の過失に照らし合わせる</strong></li>
<li>おかしければ<strong>「ガイドラインに沿って作り直してください」とメールする</strong></li>
</ul>
<p>退去の日の写真と、請求書の照らし合わせは、<a href="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/taikyo-checklist.pdf" target="_blank" rel="noopener">退去チェックリスト（PDF）</a>を使うと漏れがありません。</p>
<p>難しい言葉を並べられても、慌てなくて大丈夫です。<strong>払うのは、自分がつけた傷の分だけ</strong>。そのことを、写真とメールで示せばいいのです。</p>
<p>▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e6%99%82%e3%81%ae%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e4%bb%a3%e3%80%81%e5%85%a8%e9%83%a8%e6%89%95%e3%81%86%e5%bf%85%e8%a6%81%e3%81%af%e3%81%82%e3%82%8a%e3%81%be%e3%81%9b%e3%82%93%ef%bd%9c/">何が借りた人の負担になるのか、詳しい線引きはこちら</a></p>
<p><small>参考：国土交通省住宅局「<a href="https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html" target="_blank" rel="noopener">原状回復をめぐるトラブルとガイドライン（再改訂版）</a>」平成23年8月（p.3 物件の確認の徹底／p.16 原状回復の手順／p.28 別表4 精算明細書の様式例）、民法621条・622条の2</small></p>
]]></content:encoded>
					
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			<slash:comments>0</slash:comments>
		
		
			</item>
		<item>
		<title>退去時のクロス代、全部払う必要はありません｜張り替えている職人が教える原状回復の線引き</title>
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		<dc:creator><![CDATA[ひできち]]></dc:creator>
		<pubDate>Thu, 08 Oct 2026 00:59:47 +0000</pubDate>
				<category><![CDATA[暮らし]]></category>
		<category><![CDATA[原状回復]]></category>
		<category><![CDATA[賃貸]]></category>
		<guid isPermaLink="false">https://trust-hidekichi.com/?p=2690</guid>

					<description><![CDATA[賃貸の部屋を出るとき、こんな心配をしていませんか。 「壁紙の張り替え代を、全部請求されるんじゃないか」 「冷蔵庫の裏の壁が黒くなっている。これも自分のせい？」 「何年も住んだのに、新品に戻す費用を払うの？」 私は本業でク [&#8230;]]]></description>
										<content:encoded><![CDATA[<p>賃貸の部屋を出るとき、こんな心配をしていませんか。</p>
<ul>
<li>「壁紙の張り替え代を、全部請求されるんじゃないか」</li>
<li>「冷蔵庫の裏の壁が黒くなっている。これも自分のせい？」</li>
<li>「何年も住んだのに、新品に戻す費用を払うの？」</li>
</ul>
<p>私は本業で<strong>クロス（壁紙）と塗装</strong>の仕事をしています。管理会社さん、不動産屋さん、工務店さん、大家さん直接と、依頼元はいろいろですが、<strong>退去したあとの部屋のクロスを張り替える仕事はけっこう多い</strong>です。つまり、<strong>原状回復の現場で実際に手を動かしている側</strong>の人間です。</p>
<p>先に言ってしまうと、<strong>普通に暮らしていてできた汚れや傷みは、基本的に大家さんの負担</strong>です。借りた人が払うのは、タバコ・落書き・ペットの傷のような、<strong>普通の暮らしを超えたもの</strong>だけ。しかもその場合でも、<strong>クロスの「年齢」の分は差し引かれます</strong>。</p>
<p>この記事では、国土交通省のガイドラインを原文で確認したうえで、<strong>職人が現場で見ている線引き</strong>と、<strong>入居する前にやっておくべきこと</strong>を書きます。</p>
<h2>先に結論｜借りた人が払うもの・払わなくていいもの</h2>
<p>国土交通省の「<a href="https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html" target="_blank" rel="noopener">原状回復をめぐるトラブルとガイドライン（再改訂版）</a>」の考え方を、クロスまわりに絞ってまとめるとこうなります。</p>
<table>
<thead>
<tr>
<th>状態</th>
<th>負担するのは</th>
<th>理由（ガイドラインの考え方）</th>
</tr>
</thead>
<tbody>
<tr>
<td>日焼けによるクロスの変色</td>
<td><strong>大家さん</strong></td>
<td>日照は普通の生活で避けられない</td>
</tr>
<tr>
<td>冷蔵庫・テレビの裏の黒ずみ（電気ヤケ）</td>
<td><strong>大家さん</strong></td>
<td>冷蔵庫やテレビは生活の必需品</td>
</tr>
<tr>
<td>画びょう・ピンの穴</td>
<td><strong>大家さん</strong></td>
<td>ポスターやカレンダーを貼るのは普通の生活の範囲</td>
</tr>
<tr>
<td>ポスターや絵を貼っていた跡</td>
<td><strong>大家さん</strong></td>
<td>変色は主に日照などの自然現象によるもの</td>
</tr>
<tr>
<td>家具の設置跡・床のへこみ</td>
<td><strong>大家さん</strong></td>
<td>家具を置くのは必然</td>
</tr>
<tr>
<td>タバコのヤニ・臭い</td>
<td><strong>借りた人</strong></td>
<td>普通の使い方による汚れを超える</td>
</tr>
<tr>
<td>落書き</td>
<td><strong>借りた人</strong></td>
<td>わざとつけた傷</td>
</tr>
<tr>
<td>ペットのひっかき傷・臭い</td>
<td><strong>借りた人</strong></td>
<td>しつけや後始末の問題</td>
</tr>
<tr>
<td>重い物を掛けたクギ穴・ネジ穴（下地ボードまで傷むもの）</td>
<td><strong>借りた人</strong>になりやすい</td>
<td>画びょうより深く、範囲も広い</td>
</tr>
<tr>
<td>結露を放置して広がったカビ</td>
<td><strong>借りた人</strong>になりやすい</td>
<td>結露自体は建物の問題でも、拭くなどの手入れを怠って広げた分</td>
</tr>
</tbody>
</table>
<p>私が現場で感じている線引きも、これとほぼ同じです。<strong>タバコ・落書き・ペットの傷は借りた人。日焼け・冷蔵庫の電気ヤケ・画びょうは大家さん。</strong>家具の跡や、重い家具でクッションフロアがへこむのも、<strong>住んでいれば普通に起きること</strong>なので、借りた人が悪いわけではありません。</p>
<h2>【職人の現場】退去後の部屋で多いもの</h2>
<p>実際に退去後の部屋に入って、よく見るものを書いておきます。あくまで私の現場の感覚です。</p>
<h3>タバコは、今でもけっこうある</h3>
<p>このご時世でも、<strong>タバコのヤニで黄ばんだ部屋はけっこうあります</strong>。私の感覚では<strong>ワンルームに多く、ファミリー向けの部屋では少なめ</strong>です。</p>
<p>ヤニが厄介なのは、<strong>部屋全体に広がる</strong>ことです。壁の1か所だけが黄ばむのではなく、天井も含めて部屋じゅうが同じ色に染まります。拭いても落ちきらないので、張り替えるしかありません。</p>
<h3>繁華街の近くのワンルームは「タバコとカビ」がセット</h3>
<p>これも現場の感覚ですが、<strong>繁華街に近いワンルームは、タバコとカビがセットで出ていることが多い</strong>です。窓を閉め切りがちで、空気が入れ替わらない暮らし方だと、ヤニも湿気も部屋にこもります。</p>
<p>カビについては、別の記事で詳しく書きました。<strong>カビは湿気がこもって空気が動かない場所に生えます</strong>。</p>
<p>▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e7%b5%90%e9%9c%b2%e5%af%be%e7%ad%96%e3%81%af%e3%80%8c%e6%8b%ad%e3%81%8f%e3%80%8d%e3%81%a0%e3%81%91%e3%81%a7%e3%81%af%e7%b5%82%e3%82%8f%e3%82%8a%e3%81%be%e3%81%9b%e3%82%93%ef%bd%9c%e3%82%af%e3%83%ad/">結露対策は「拭く」だけでは終わりません｜クロス職人が壁を剥がして見てきたこと</a></p>
<h3>ペットの傷と、子どもの落書き</h3>
<p>ペットのひっかき傷や、子どもの落書きもあります。これは<strong>普通の暮らしでできたものとは言えない</strong>ので、借りた人の負担になることが多いです。</p>
<h2>クロスは「6年で価値1円」｜年数の分は差し引かれます</h2>
<p>ここが一番知っておいてほしいところです。</p>
<p>借りた人が負担する場合でも、<strong>張り替え費用の全額を払うわけではありません</strong>。ガイドラインは、クロスの価値を<strong>6年で1円になる</strong>ように、年数とともに下げて考えます。</p>
<ul>
<li><strong>新品のクロスで入居して、1年で汚した</strong> → まだ価値が高いので、負担は大きめ</li>
<li><strong>新品のクロスで入居して、3年で汚した</strong> → 価値は約半分。負担も約半分</li>
<li><strong>6年以上住んだ</strong> → クロスの価値はほぼ1円。負担はほぼゼロに近づく</li>
</ul>
<p>理由もはっきり書かれています。<strong>年数による汚れや傷みの分は、毎月の家賃ですでに払っている</strong>からです。退去のときにもう一度払わせたら、二重取りになります。</p>
<h3>入居したとき、クロスは新品でしたか？</h3>
<p>ここで大事になるのが、<strong>入居した時点でクロスが張り替えられていたかどうか</strong>です。</p>
<p>本来は「そのクロスが張られてから何年経ったか」で価値を計算します。でも実際には、<strong>張り替えた時期を大家さんや管理会社が正確に把握していないことが多い</strong>。教えてもらっても、借りる側には確かめようがありません。</p>
<p>そこでガイドラインは、<strong>入居してからの年数で代わりに計算する</strong>方法をとっています。</p>
<ul>
<li><strong>入居の直前に張り替えていた</strong> → 価値100%から数え始める</li>
<li><strong>張り替えていなかった</strong> → 入居した時点ですでに価値が下がっているので、<strong>出発点を下げて</strong>計算する（下限は1円）</li>
</ul>
<p>つまり、<strong>前の人が住んでいたクロスのまま入居したなら、退去時の負担はかなり小さくなる</strong>はずです。張り替えていない古いクロスなら、あまり気にしなくていいと私は思います。</p>
<p>ただし、どこを出発点にするかは「<strong>契約するときに双方で確認して、あらかじめ決めておくのが適当</strong>」とされています。だからこそ、次の章の「入居前の確認」が効いてきます。</p>
<h2>【職人の視点】部分張り替えができない理由と、誰が払うかは別の話</h2>
<p>ここは職人だから書けることです。</p>
<p style="text-align: center;"><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-2732" src="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-irochigai.png" alt="一部だけ張り替えた壁紙の色の違いに首をかしげる禅ちゃん" width="1200" height="675" srcset="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-irochigai.png 1200w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-irochigai-800x450.png 800w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-irochigai-320x180.png 320w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-irochigai-224x126.png 224w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-irochigai-150x84.png 150w" sizes="(max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></p>
<h3>1か所だけ張り替えると、色が合わない</h3>
<p>壁の1か所に傷があったとして、<strong>その部分だけ張り替えることも、できなくはありません</strong>。でも実際には、ほとんどの場合きれいに仕上がりません。</p>
<ul>
<li><strong>日焼けしている</strong>：何年も貼ってあったクロスは、新品と並べると色がはっきり違います</li>
<li><strong>廃番になっている</strong>：同じ品番のクロスが、もう売っていないことがよくあります</li>
<li><strong>ロットが違う</strong>：同じ品番でも、作られた時期が違うと色が微妙に違います</li>
</ul>
<p>だから職人としては、<strong>ちゃんとやるなら面（壁1面）で張り替えます</strong>。できるなら部屋全部を張り替えるのが一番きれいです。</p>
<h3>でも、その費用を全部借りた人が払うわけではない</h3>
<p>ここで間違えやすいのですが、<strong>「職人が面で張り替える」ことと「その費用を誰が払うか」は別の話</strong>です。</p>
<p>ガイドラインでは、クロスの借りた人の負担は<strong>「㎡単位が望ましいが、傷つけた箇所を含む1面分までは、やむをえない」</strong>とされています。仕上がりのために部屋全体を張り替えたとしても、<strong>傷と関係のない壁の分まで借りた人が払う必要はない</strong>ということです。</p>
<p>そして1面分を負担する場合でも、<strong>さっきの「6年で1円」の差し引きは効きます</strong>。</p>
<h2>タバコだけは「部屋全体」になることがある</h2>
<p>例外が1つあります。<strong>タバコ</strong>です。</p>
<p>ガイドラインでは、<strong>喫煙で部屋全体のクロスがヤニで変色したり、臭いが付いたりした場合に限って</strong>、その部屋全体のクリーニングまたは張り替え費用を借りた人の負担とするのが妥当、とされています。</p>
<p>現場で見ていても、ヤニは本当に部屋全体に広がります。<strong>1面だけで済むことはまずありません</strong>。ここは「普通の暮らしで汚れた」とは言いにくいところです。</p>
<p>ただ、タバコの場合でも<strong>年数の差し引きはあります</strong>。長く住んでいれば、そのぶん負担は小さくなります。</p>
<h2>費用の目安｜私の店の料金で計算してみます</h2>
<p>数字がないと分かりにくいので、私の店（職人直の店Trust）のホームページに載せている概算料金で計算してみます。</p>
<ul>
<li><strong>基本料金</strong>：11,000円</li>
<li><strong>施工料</strong>：1㎡あたり2,000円</li>
<li><strong>6畳ひと部屋（壁と天井）</strong>：約45㎡ → <strong>101,000円〜</strong>（税込・諸経費込みの概算）</li>
<li><strong>小さな工事（約14㎡以下）</strong>：<strong>最低受注額 40,000円〜</strong>（税込。基本料金・施工・下地・処分すべて込み）</li>
</ul>
<p>最低料金があるのは、<strong>壁1か所でも、職人が道具と材料を積んで現場に行き、古いクロスをはがして下地を整え、張って、ゴミを処分する手間は変わらない</strong>からです。小さな工事ほど、面積のわりに高くなります。これはどこの店でも、だいたい同じだと思います。</p>
<p>▶️ <a href="https://sagamihara.trust8113.com/">職人直の店Trust（相模原）</a></p>
<p>※料金は店や地域、クロスの種類、下地の状態で変わります。あくまで計算の例として見てください。</p>
<h3>例1｜壁1面に落書き（新品で入居して3年）</h3>
<ul>
<li>6畳の壁1面＝約9㎡ → 14㎡以下なので<strong>最低受注額の40,000円</strong></li>
<li>3年経っているので価値は約半分 → <strong>借りた人の負担は約20,000円</strong>が目安</li>
</ul>
<h3>例2｜部屋全体がヤニで黄ばんだ（新品で入居して2年）</h3>
<ul>
<li>6畳ひと部屋＝約45㎡ → <strong>約101,000円</strong></li>
<li>2年経っているので価値は約3分の2 → <strong>借りた人の負担は約67,000円</strong>が目安</li>
</ul>
<h3>例3｜日焼けと冷蔵庫の電気ヤケだけ（何年住んでも）</h3>
<ul>
<li>どちらも普通の暮らしでできるもの → <strong>借りた人の負担は0円</strong></li>
</ul>
<p>実際の計算は、契約の内容や入居時の状態で変わります。でも<strong>「張り替え代の全額」を請求されたら、一度立ち止まっていい</strong>ということは覚えておいてください。</p>
<h2>入居する前・契約する前にやっておくこと</h2>
<p>ここからは、<strong>これから部屋を借りる人</strong>に向けて書きます。原状回復のトラブルは退去のときに起きますが、<strong>防げるのは入居のとき</strong>です。ガイドラインも、原状回復を「出口（退去）」ではなく「<strong>入口（入居）</strong>」の問題として考えることをすすめています。</p>
<h3>1. 契約前に「クロスは張り替え済みですか？」と聞く</h3>
<p>さっき書いたとおり、<strong>入居時に張り替えてあったかどうかで、退去時の計算の出発点が変わります</strong>。契約の前に聞いておきましょう。答えはメモしておくと安心です。</p>
<p style="text-align: center;"><img decoding="async" class="aligncenter size-full wp-image-2733" src="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-shashin.png" alt="入居日の部屋をスマホで撮る禅ちゃん" width="1200" height="675" srcset="https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-shashin.png 1200w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-shashin-800x450.png 800w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-shashin-320x180.png 320w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-shashin-224x126.png 224w, https://trust-hidekichi.com/wp-content/uploads/zen-2690-shashin-150x84.png 150w" sizes="(max-width: 1200px) 100vw, 1200px" /></p>
<h3>2. 入居したら、部屋全体の写真を撮る</h3>
<p><strong>これが一番大事です。</strong>荷物を入れる前に、部屋全体を写真に撮っておいてください。</p>
<ul>
<li>各部屋を<strong>四隅から全体が入るように</strong>撮る</li>
<li><strong>クロス以外も</strong>撮る。床の傷、建具の汚れ、ドアのへこみ、水回りの汚れなど</li>
<li><strong>気になるところは寄って</strong>撮る。傷・汚れ・シミ・はがれ</li>
<li>撮った写真は<strong>日付が分かる形</strong>で残しておく</li>
</ul>
<p>最初からあった傷を、退去のときに「あなたが付けた」と言われても、写真があれば話はすぐ終わります。<strong>写真があるだけで、退去がスムーズに進みます</strong>。ガイドラインにも、入居時と退去時にチェックリストを作り、写真を撮るなどして確認することが書かれています。</p>
<h3>3. 契約書の「特約」を読む</h3>
<p>契約書に「退去時のクリーニング代は借主負担」などの<strong>特約</strong>が書かれていることがあります。特約があると、ガイドラインとは違う負担になることがあります。</p>
<p>ただし、特約なら何でも有効というわけではありません。普通の汚れや傷みまで借りた人に負担させる特約は、<strong>契約書に具体的に書かれていて、借りる人がそれをはっきり分かったうえで合意していること</strong>が必要とされています（最高裁 平成17年12月16日判決）。分からない特約があったら、契約前に聞きましょう。</p>
<h2>住んでいる間にできること</h2>
<h3>タバコは外か、せめて換気扇の下で</h3>
<p>タバコを吸う人は、<strong>外で吸うか、せめて換気扇の下で</strong>。紙巻きタバコは、できれば部屋の中では吸わない方がいいです。ヤニは部屋全体に広がるので、退去時の負担が一番大きくなりやすいのがタバコです。</p>
<h3>結露は、拭き取るくらいで十分</h3>
<p>結露については、<strong>そこまで神経質にならなくていい</strong>と思います。気づいたら拭き取る、それくらいで十分です。</p>
<p>ガイドラインでも、結露そのものは建物の構造の問題であることが多いとされています。借りた人の負担になるのは、<strong>結露が出ているのに拭かずに放置して、カビを広げてしまった場合</strong>です。逆に言えば、<strong>拭いていれば大丈夫</strong>ということです。</p>
<h3>結局、換気です</h3>
<p>タバコのヤニも、結露も、カビも、<strong>空気を入れ替えるだけでずいぶん変わります</strong>。湿気の記事を書くたびに同じことを言っていますが、ここでもやっぱり換気です。</p>
<p>▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e6%8a%bc%e5%85%a5%e3%82%8c%e3%83%bb%e3%82%af%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%bc%e3%83%83%e3%83%88%e3%81%ae%e3%82%ab%e3%83%93%e5%af%be%e7%ad%96%ef%bd%9c%e8%a1%a3%e6%9b%bf%e3%81%88%e3%81%ae%e6%97%a5%e3%81%ab/">押入れ・クローゼットのカビ対策｜衣替えの日にやる5つと、クロス職人が見てきた本当の原因</a></p>
<h2>【正直に書きます】払うべきものもあります</h2>
<p>ここまで「払わなくていいもの」を中心に書いてきましたが、<strong>払うべきものもあります</strong>。</p>
<ul>
<li><strong>落書き・ペットの傷</strong>：6年を過ぎた古いクロスでも、<strong>落書きを消すための工事費や人件費は、借りた人の負担になることがある</strong>とガイドラインに書かれています。「古いからタダ」とはなりません</li>
<li><strong>放置したカビ</strong>：拭けば済んだものを放置して広げた分は、借りた人の負担になりやすいです</li>
<li><strong>重い物を掛けたクギ穴・ネジ穴</strong>：下地ボードまで傷むと、画びょうの穴とは扱いが違います</li>
</ul>
<p>大家さんの側から見れば、<strong>できるだけ自分のお金を出したくない</strong>のは分かります。物件を維持するのは大変です。</p>
<p>それでも、現場で張り替えをしている立場から言うと、<strong>タバコ・落書き・ペットのような、よほどの過失でない限り、ほとんどは大家さんが面倒を見る案件</strong>だと私は思います。普通に暮らして傷んだ分は、家賃の中に入っているからです。</p>
<h2>もし揉めたら</h2>
<ul>
<li><strong>国交省のガイドラインには、法的な拘束力はありません</strong>。あくまで一般的な基準です。ただ、多くの相談窓口や裁判で参考にされています</li>
<li>2020年4月からは、<strong>民法</strong>にも「借りた人は、普通に使ってできた傷みや経年変化については原状回復の義務を負わない」と書かれています（民法621条）</li>
<li>請求に納得できないときは、<strong>消費生活センター（消費者ホットライン「188」）</strong>に相談できます</li>
</ul>
<p>請求書が来たら、すぐに払わずに、<strong>「どの傷を、何㎡、何年分差し引いて計算したのか」</strong>を聞いてみてください。きちんとした管理会社なら、答えてくれるはずです。</p>
<h2>よくある質問</h2>
<h3>Q. 冷蔵庫の裏の壁が黒くなっています。払わないといけませんか？</h3>
<p>A. いわゆる電気ヤケは、ガイドラインでは<strong>普通の使い方による傷み＝大家さんの負担</strong>とされています。冷蔵庫やテレビは生活の必需品だからです。</p>
<h3>Q. 画びょうの穴は？</h3>
<p>A. ポスターやカレンダーを貼るための画びょう・ピンの穴は、<strong>大家さんの負担</strong>です。ただし、重い物を掛けるためのクギ穴やネジ穴で、下地ボードの張り替えが必要になるほどのものは、借りた人の負担になりやすいです。</p>
<h3>Q. 10年住みました。タバコを吸っていましたが、全額請求されますか？</h3>
<p>A. クロスは6年で価値がほぼ1円になる考え方なので、10年住んでいれば<strong>クロスそのものの価値分の負担はほぼありません</strong>。ただし、ヤニを落とすクリーニングや工事の手間の分などを請求される可能性はあります。契約書の特約も確認してください。</p>
<h3>Q. 入居時の写真を撮っていませんでした。もう遅いですか？</h3>
<p>A. 今から撮っても、<strong>「この時点ではこうだった」という記録</strong>にはなります。撮らないよりずっといいです。入居時の書類（物件状況の確認書など）が残っていないかも探してみてください。</p>
<h3>Q. 部屋全体を張り替えたと言われ、全額を請求されました。</h3>
<p>A. 仕上がりのために部屋全体を張り替えることは、職人としてはよくあります。でも、<strong>借りた人の負担は原則として傷つけた箇所を含む1面分まで</strong>（タバコで部屋全体が汚れた場合を除く）です。さらに年数の差し引きもあります。計算の中身を聞いてみてください。</p>
<p>退去の日に「立ち会い」を求められたときの断り方と、その場でサインしないための手順は、こちらにまとめました。写真のチェックリスト（PDF）もダウンロードできます。</p>
<p>▶️ <a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e3%81%ae%e7%ab%8b%e3%81%a1%e4%bc%9a%e3%81%84%e3%81%af%e6%96%ad%e3%82%8c%e3%81%be%e3%81%99%ef%bd%9c%e3%81%9d%e3%81%ae%e5%a0%b4%e3%81%a7%e3%82%b5%e3%82%a4%e3%83%b3%e3%81%97%e3%81%aa/">退去の立ち会いは断れます｜その場でサインしないで。クロス職人が教える、退去費用で損しない手順</a></p>
<p>▶️ 届いた請求書の数字（㎡数・単価・下地処理・最低料金）を職人の目でどう読むかは、こちらにまとめました：<a href="https://trust-hidekichi.com/%e9%80%80%e5%8e%bb%e8%b2%bb%e7%94%a8%e3%81%ae%e8%ab%8b%e6%b1%82%e6%9b%b8%e3%80%81%e3%82%af%e3%83%ad%e3%82%b9%e8%81%b7%e4%ba%ba%e3%81%af%e3%81%93%e3%81%93%e3%82%92%e8%a6%8b%e3%82%8b%ef%bd%9c%e3%80%8c/">退去費用の請求書、クロス職人はここを見る</a></p>
<p>▶️ 退去したあと、敷金がなかなか返ってこない・ほとんど残らなかったときの手順（明細・メール・内容証明・188）は<a href="https://trust-hidekichi.com/%e6%95%b7%e9%87%91%e3%81%8c%e8%bf%94%e3%81%a3%e3%81%a6%e3%81%93%e3%81%aa%e3%81%84%e6%99%82%e3%81%ae%e6%89%8b%e9%a0%86%ef%bd%9c%e6%98%8e%e7%b4%b0%e3%83%bb%e3%83%a1%e3%83%bc%e3%83%ab%e3%83%bb%e5%86%85/">敷金が返ってこない時の手順</a></p>
<h2>まとめ｜入居の日に、写真を撮ってください</h2>
<p>原状回復のルールは、まとめると3つです。</p>
<ul>
<li><strong>普通に暮らしてできた汚れや傷みは、大家さんの負担</strong>（日焼け・電気ヤケ・画びょう・家具の跡）</li>
<li><strong>タバコ・落書き・ペットの傷は、借りた人の負担</strong>。ただしクロスは<strong>6年で価値1円</strong>なので、年数の分は差し引かれる</li>
<li><strong>職人が面で張り替えても、借りた人の負担は原則1面まで</strong>（タバコで部屋全体が汚れた場合を除く）</li>
</ul>
<p>そして、トラブルを防ぐ一番の方法は、退去のときではなく<strong>入居のとき</strong>にあります。</p>
<p><strong>契約前に「クロスは張り替え済みですか？」と聞くこと。入居したら、荷物を入れる前に部屋全体の写真を撮ること。</strong>クロスだけでなく、床も建具も水回りも、気になるところは全部です。</p>
<p>それだけで、退去の日はずいぶん楽になります。</p>
<p><small>参考：国土交通省住宅局「<a href="https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000020.html" target="_blank" rel="noopener">原状回復をめぐるトラブルとガイドライン（再改訂版）</a>」平成23年8月</small></p>
]]></content:encoded>
					
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